2010 Fiscal Year Annual Research Report
集落営農と企業的経営の連携による地域水田農業の高度化に関する研究
Project/Area Number |
22380123
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 了 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00299778)
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Keywords | 農業経営 / 農業経済 / 農業地域計画 |
Research Abstract |
研究初年度となる平成22年度は、秋田県に存在する集落営農組織から5つの法人組織をピックアップし、現在抱えている課題や企業的経営との連携への意向について調査を実施した。 前者については、まず人材確保が大きな課題であった。組織を引っ張るリーダー、経理担当者、作業オペレーター、畦畔草刈作業者等々、これらの人材をどのように確保(=調達)し、更新していくのかという問題である。そこでは、組織に関わる人たちに対して相応の報酬を支払えるだけの経営基盤の強化が必要であった。経営基盤を維持・強化する上では、機械設備をどのように円滑に更新するかも組織の課題として浮上していた。 後者の点については、他の企業的経営と販売面、作業面それぞれで連携・取引の実態が見られた。作業面については、機械作業効率に見合う適正作業面積規模が拡大している現状から、集落営農組織間の連携や他組織に作業を委託する事例も存在した。販売面については、地元の飲食店や首都圏卸など、多様な取引関係を確認できた。今後、こうした他経営との連携は、集落営農組織が発展していくための重要な要素となることが示唆された。 以上の結果をふまえて、企業的経営との連携実態と意向に関するアンケートを作成し、秋田県内において活動する全ての集落営農組織に対して配付し、現在回収・分析を進めている。東日本大震災等の影響で回収が遅れているが、平成23年度上半期には分析を完了する見込みである。
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Research Products
(12 results)