2012 Fiscal Year Annual Research Report
家畜精巣由来の生殖幹細胞の培養と生殖細胞への分化制御に関する研究
Project/Area Number |
22380150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 裕 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10303869)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 発生工学 / 生殖幹細胞 |
Research Abstract |
ウシおよびブタの精巣に由来する生殖幹細胞の体外での長期培養と細胞分化誘導に関する研究を行った。本年度は、前年度の成果に基づき、ウシ前精原幹細胞の長期的体外培養を試みた。出生直後のウシ精巣から前精原幹細胞を回収し、Poly-L-Lysinをコートした培養皿で培養すると、前精原幹細胞が選択的に培養皿上に接着し、マウスES細胞様のコロニーを形成した。前精原幹細胞の培養液として、iPS細胞やES細胞などの多能性細胞の培養に多用されているKnock out serum replacement (KSR)を添加したDMEM/F12培養液を用いたところ、血清を添加した従来の培養液に比べて有意な細胞増殖が認められた。長期的な細胞培養系を確立するために、培養液中に添加する成長因子(GDNF、 FGF、 EGF)の影響について検討した。これらの成長因子はいずれも前精原幹細胞の生存性と増殖に有効に作用するが、その中でもGDNFは必須の因子であった。15% KSR、 GDNFおよび1% 牛胎児血清をを含むDMEM/F12培養液中で前精原幹細胞を培養することにより、幹細胞から生じたコロニーを2カ月以上にわたって継代・培養することが可能になった。このような長期培養は家畜では初めての成果である。と同時に生殖幹細胞としての性質も有していた。 また、体外で胚様体を形成すると同時に、三胚様性の細胞系列に分化することが可能であり、染色体の安定性も保たれていた。一方、得られたコロニーをGDNF、bFGF、EGFを含むDMEM/F12培地で培養すると、前精原幹細胞は精原幹細胞あるいは減数分裂期にある精母細胞への分化を観察することができ、体外で前精原幹細胞の細胞分化を誘導が可能な培養条件の一部が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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