2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネデンプン代謝に関わる糖タンパク質の新奇プラスチド局在化機構の解明
Project/Area Number |
22380186
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三ツ井 敏明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70183960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 研一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80353960)
伊藤 紀美子 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10281007)
林 八寿子 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20228597)
花城 勲 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (30336325)
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Keywords | 植物 / イネ / デンプン / ゴルジ体 / 葉緑体 / 糖鎖 |
Research Abstract |
本研究課題においては、イネにおけるデンプン代謝に関わる酵素、なかでも糖タンパク質として知られているα-アミラーゼ(Amy)およびヌクレオチドピロボスファターゼ/ホスホジエステラーゼ(NPP)の細胞内膜系からプラスチドへの新奇な輸送、局在化の分子メカニズムを明らかにし、その成果を基に新たな米デンプン集積制御技術の開発を目指している。平成22年度は下記の研究成果が得られた。 (1)分泌経路を介してプラスチドターゲティングする糖タンパク質の探索並びに糖鎖構造解析:NPP1,NPP2およびNPP6は72-83%が葉緑体に局在したが、NPP3は葉緑体には殆ど局在化せず、細胞内膜系に分布することが分かった。また、NPP1,NPP2およびNPP6の糖鎖構造を解析したところ、85個のN-結合型糖鎖が検出、同定され、そして48-80%がキシロースやフコースを含む複合型糖鎖であることが明らかになった。 (2)糖タンパク質のプラスチドターゲティングに関わる分子装置の解明:NPP1のN-末端シグナル配列は分泌経路に入るために必要であるが葉緑体局在化には十分ではなく、酵素タンパク質に埋め込まれた内部領域(アミノ酸残基308-478)が葉緑体局在化のための物理構造シグナルとして働くことが示唆された。また、ST-GFP(トランスゴルジマーカー)発現細胞においてNPP1を強発現させると、ST-GFPの葉緑体への取り込みが活発に起こることが分かった。 (3)プラスチド局在性糖タンパク質の機能発現調節によるデンプン集積制御:AmyI-1およびAmyII-4を強発現する形質転換体の種子デンプンの構造を走査電子顕微鏡で観察したところ、デンプン顆粒にクレーター様の小孔が多数観察され、α-アミラーゼ発現が米デンプン顆粒の形成に影響することが確認された。
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Research Products
(5 results)