2011 Fiscal Year Annual Research Report
Angiopoietin-Tie2システムによる血管安定化・不安定化機構の解明
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22390040
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
福原 茂朋 独立行政法人国立循環器病研究センター, 細胞生物学部, 室長 (70332880)
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Keywords | アンンジオポエチン / Tie-2 / 血管安定化 |
Research Abstract |
Angiopoietin-1(Ang1)は、血管内皮細胞に発現するTie2受容体を介して、血管安定化と血管新生の相反する機能を制御する。これまでに申請者は、細胞間接着存在下においてAng1は、Tie2のトランス結合を形成し血管安定化シグナルを活性化すること、一方細胞間接着非存在下においてAng1は、Tie2を細胞外マトリックスにアンカーし、血管新生シグナルを誘導することを報告した(Nat.Cell Biol.2008)。また、Ang1/Tie2受容体シグナルは、血管内皮細胞に特異的に発現する細胞間接着因子Vascular endothelial-cadherin(VE-cadherin)を増強することで、血管構造を安定化する。われわれはこれまでに、Ang1/Tie2受容体シグナルによるVE-cadherin接着機能の増強にRap1低分子量G蛋白質が関与することを示唆する知見を得ている。そこで、平成23年度は、Ang1/Tie2シグナルの下流で機能するRap1が、如何にVE-cadherin接着を増強するのか解析した。その結果、Rap1は細胞間接着部位に沿ってアクチン繊維の束を形成すること、そしてこのアクチン繊維がα-/β-cateninを介してVE-cadherinを細胞間接着部位にアンカーし、内皮細胞間接着を増強することを示した。さらに、この分子メカニズムについて解析を進め、Rap1は、細胞間接着部位でRhoファミリーG蛋白質の1つであるCdc42を活性化し、それによりミオシンリン酸化酵素の1つであるMRCKを細胞間接着部位にリクルートすること、細胞間接着部位に移行したMRCKは、細胞間接着部位でミオシンIIを活性化し、細胞間接着に沿ってアクチン繊維の束を形成することを明らかにした。今後、Rap1はCdc42を活性化する機構の解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年は、Ang1/Tie2受容体シグナルが血管内皮細胞間接着を増強する分子メカニズムの解明を目標に研究を進め、上述したように、その機構の一部を明らかにすることが出来た。しかし、本年度は、Ang1/Tie2受容体シグナルがNotchシグナルを介して基底膜を形成し、血管構造を安定化する機構についても解析を進めたが、結論を出すまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に引き続き、Ang1/Tie2受容体シグナルが血管内皮細胞間接着を増強する分子メカニズムの解析を進める。特に、Rap1がCdc42を活性化する機構について検討、また、Rap1の下流で機能するアクチン制御因子の同定も試みる。さらに、Ang1/Tie2受容体シグナルがNotchシグナルを介して基底膜を形成し、血管構造を安定化する機構を明らかにするため、培養細胞を用いた解析に加え、モデル動物としてゼブラフィッシュを用いて解析を進める。これにより、生体でAng1/Tie2シグナルが血管構造を安定化・不安定化する分子メカニズムの解明を目指す。
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Research Products
(13 results)