2011 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛における反応の場脊髄での細胞内情報伝達と細胞間生理活性物質の時空間的解析
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22390063
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 伸治 関西医科大学, 医学部, 講師 (70276393)
矢尾 育子 関西医科大学, 医学部, 講師 (60399681)
片野 泰代 関西医科大学, 医学部, 講師 (60469244)
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Keywords | ノシセプチン / ノシスタチン / NIPSNAP1 / 術後痛モデル / 帯状疱疹神経痛モデル / ハイドロゲル / 消炎鎮痛薬 / NMDA受容体 |
Research Abstract |
本研究は、疼痛刺激の入力応答反応に伴う可塑性変化を分子レベルから疼痛行動まで1ヶ月以上の長期にわたり、in vitro、in vivoで解析できる脊髄の利点を利用して、遺伝子改変マウスを駆使して、生体機能分子の役割と機能の解析に焦点をあて、その成果を疼痛治療への臨床応用をめざすことを目的としている。 昨年度は(1)ノシスタチンは,オピオイドペプチドのノシセプチン/オーファニンFQ(N/OFQ)と同一の前駆体タンパク質から産生され神経ペプチドである。ノシスタチンの疼痛制御の分子機構を明らかにするため,ノシスタチンを固定化したラッテクスビーズ(SGビーズ)を用いノシスタチンに結合する分子NIPSNAP1の同定に成功した。さらに、NIPSNAP1のノックアウトマウスを作製し、ノシスタチンの疼痛抑制反応に関与する分子であることを明らかにした。 (2)基礎研究の疼痛治療への臨床応用をめざすために、術後痛を緩和するために、術後痛モデルをラットで作製し、生体吸収性ハイドロゲルの手術創埋込みによる鎮痛薬の除放効果を用いた術後鎮痛法を開発した。局所麻酔薬リドカイン、消炎鎮痛薬で1週間にわたる効果が見られ、現在、この術後鎮痛法の臨床応用への取り組みを行っている。 (3)ヘルペスウイルス接種による帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛モデルを作製した。野生型モデルマウスでは50%以上のマウスで50日後にも帯状疱疹後神経痛が持続したが、NMDA受容体遺伝子改変マウスでは、帯状疱疹後神経痛の発症頻度、強度が減少し、NMDAグルタミン酸受容体が帯状疱疹後神経痛の発症に関与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、実験結果を次々と論文発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、CaMKIIキナーゼ活性欠損マウスの疼痛行動と神経可塑性の解析を進める。 質量顕微鏡のテーマを進める。年度末に学舎移転を予定しているので、それまでに実験を進め、論文作成に取り掛かる。
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Research Products
(20 results)