2010 Fiscal Year Annual Research Report
多民族を対象とした相関解析によるベーチェット病関連遺伝子の同定および病態の解明
Project/Area Number |
22390065
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 正穂 信州大学, 医学部, 准教授 (50115333)
目黒 明 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (60508802)
河越 龍方 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (20564800)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / 多因子性遺伝疾患 / ベーチェット病 |
Research Abstract |
ベーチェット病は全身の諸臓器に急性の炎症を繰り返す原因不明の難治性炎症性疾患であり、口腔内アフタ性潰瘍、眼症状、皮膚症状、外陰部潰瘍の4症状を主症状とする。青壮年期に多く発症し、長期間にわたって再発と寛解を繰り返すため、本病により重度の視力障害を来す患者は少なくない。近年、本病に対して有効な治療法(抗TNF抗体療法)が確立されてきたが、本剤に不応答性の患者も少なからず存在し、今なお失明率の高い疾患である。本研究では、多民族のベーチェット病患者を対象として遺伝子解析を行い、全ゲノム上に散在する本病の疾患感受性遺伝子をすべて同定する。さらに同定した遺伝子の機能解析および過剰発現トランスジェニックマウスやノックアウトマウスの作製を行い、本病発症のメカニズムを解明していく。 日本人ベーチェット病を対象としたゲノムワイドな相関解析により、ベーチェット病の疾患感受性候補を複数に絞り込んでおり、平成22年度はそれら疾患感受性候補領域を対象に多民族のベーチェット病患者を用いて再現性の検討を行った。さらに、それらの遺伝子情報をもとに、遺伝子の機能解析および過剰発現トランスジェニックマウスやノックアウトマウスの作製を開始した。 本研究の成果は、ベーチェット病発症のメカニズム解明の一助になるとともに、正確な疾患自身の診断、予後の予測、および疾患発症のリスク(相対危険率)の予測を可能とする迅速遺伝子診断キットの作製に繋がる。さらに、疾患に関わる蛋白を標的としたゲノム創薬開発の道を開くと考えられる。
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Research Products
(10 results)