2010 Fiscal Year Annual Research Report
免疫低下霊長類モデルを用いた新型インフルエンザに対する新規抗体治療法の開発
Project/Area Number |
22390076
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
伊藤 靖 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90324566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 一誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20169163)
伊藤 睦美 東京大学, 医科学研究所, 技術職員 (80573906)
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Keywords | インフルエンザ / 霊長類モデル / 免疫抑制 / 抗体療法 / ペプチド |
Research Abstract |
1.インフルエンザウイルス特異的モノクローナル抗体の作製 インフルエンザウイルスヘムアグルチニン(HA)タンパク質のHA2部分に着目し、H1型HAとH5型HAの間で比較的変異が少なく保存されている部分のアミノ酸配列をデータベースより検索した。その中から2か所の配列を選択し、マウスMHCクラスII分子I-A^b結合性フレームに挿入したペプチドを合成した。これらのペプチドをマウスに投与し、ヘルパーT細胞反応を解析したところ、1個のペプチドはヘルパーT細胞の増殖反応を誘導した。このペプチドで複数回マウスを免疫し、血清をELISAで解析したところ、インフルエンザウイルス抗原との反応性が見られ、インフルエンザ抗原特異的抗体産生細胞の存在が示唆された。現在、このマウスの脾臓細胞からモノクローナル抗体の作製を行っている 2.免疫低下サルモデルの構築 カニクイザルにシクロフォスファミドとシクロスポリンAを投与したところ、末梢血白血球が減少し、インターロイキン-2産生能が低下することが判明した。この条件で前処置を行ったサルにパンデミックインフルエンザウイルスあるいはH5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させた。免疫低下サルの臓器、気道拭い液から、免疫が低下していないサルより長期間ウイルスが検出された。特に高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させた免疫低下サルでは、呼吸器以外の臓器からもウイルスが検出された。また、免疫低下状態でも感染後発熱すること、感染肺組織中でサイトカイン産生が見られることが判明した。従って、この免疫低下サルは治療薬の効果判定に有用なモデルとなることが判明した。
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Research Products
(3 results)