2012 Fiscal Year Annual Research Report
リステリア属異種菌の遺伝子組換えによる病原因子と宿主免疫応答相関の分子機構解明
Project/Area Number |
22390082
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
光山 正雄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10117260)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細菌 / リステリア / 病原因子 / 免疫応答 |
Research Abstract |
Listeria monocytogenesをマクロファージに感染させると、caspase-1依存的に産生されるIL-1βやIL-18が誘導される。しかし、L. monocytogenesの主要な病原因子であるリステリオリシンO (LLO)欠損株の感染では、これらサイトカインの遺伝子発現は誘導されるものの、培養上清中にサイトカインが分泌されることはない。一方、Listeria ivanoviiはLLOと相同性の高いivanolysin O (ILO)を産生し、感染マクロファージ内で増殖することができるが、L. monocytogenesと比較するとそのIL-1βやIL-18産生誘導能は明らかに弱い。さらに、ILOを産生するL. monocytogenes組換え株のサイトカイン産生誘導能が野生株に比べて著しく弱いことが明らかにされている。これらの結果は、LLOは食胞膜を傷害して菌の細胞質への侵入を司るだけでなく、caspase-1の活性化に直接関与することを示唆するものである。この点について解析するため、LLOのN末端側からC末端向きに順次ILOに置き換えたキメラタンパク質を産生するL. monocytogenes株を作製した。組換え株と野生株のマクロファージ内増殖能には違いは認められなかった。また、LLOのN末端より203番目のアミノ酸までをILOに置き換えたキメラタンパク質を産生する株は、野生株と同等のcaspase-1活性化能とサイトカイン産生誘導能を示した。しかし、254番目まで置き換えたキメラタンパク質を産生する株のサイトカイン産生誘導能は、野生株と比較すると明らかに減弱していることが示された。さらに、単一アミノ酸置換変異株を作製して解析した結果、LLOの223番目のスレオニンがLLOのcaspase-1活性化に重要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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