2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅認知症高齢者のための学際的チームの連携強化を支援する評価システムの開発と検証
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22390107
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
梶井 文子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (40349171)
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Keywords | 医療福祉 / 認知症 / 学際的チーム / 連携 / システム |
Research Abstract |
来年度の学際的専門職チームによる在宅認知症高齢者ためのWeb評価システムの大幅改変に向けて、評価システムの中心的な内容である全274項目の評価項目について、Web評価システムを利用した多職種から4段階のリッカート尺度ならびに自由記載による必要性を評価した。全体ならびに各職種間の評価内容を分析し、評価項目の精選における課題を明らかにすることを目的とした。研究対象者は、Web評価システムを利用した50名の内、調査に協力した36名(有効回答率72.0%)(内訳はケアマネジャー13名、介護職12名、看護師3名、医師3名、相談員・権利擁護専門員4名)であった。大10カテゴリを構成する小カテゴリ274項目各々について、平均値が3.0未満について、全体ならびに各職種間の違いを含めてその理由を検討した結果、以下となった。(1)認知障害と記憶障害とともに生きるでは、高齢者への「リビングウィル」と「アドバンスドディレクティブ」は、現場での専門職種間においても、用語理解が不十分であり、その把握の必要性が理解できていなかった。「生活満足度(WHO-QOL26項目)の24項目」は、介護と関係のない項目を含んでいることから必要性が低かった。(3)認知と記憶障害に関する問題を解決するでは、日常生活行動の「食事摂取品目の状況」、「栄養アセスメントの身体測定」「口腔関連」「服薬量」「社会性項目」の一部に詳細なアセスメントが困難であった。(5)認知症以外の合併症のリスクを減らすでは「抑うつ状態項目(GDS15)」に正確なアセスメントの不可であった。(8)活動と参加の能力を促進するでは、具体的な項目の一部に職種間の理解の違いがあった。一方(2)認知の規則の状況が見守れる、(4)活動的である、(6)決定する力を持つ、(7)意思疎通ができる、(9)心地よくある、(10)ケアマネジメントされるについては、低得点項目は1項目もなかった。以上から、項目を精選する必要性のある項目が明らかになった。また職種間の理解の違いがあり、ケアの質の向上のためには、教育的な課題のあることも明らかになった。
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