2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーの法医診断学への応用ー新規指標としての有用性の検証ー
Project/Area Number |
22390142
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木村 章彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60136611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 稔和 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70251923)
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10364077)
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00244731)
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Keywords | オートファジー / 心肥大 / 心不全 / 法医病理診断 |
Research Abstract |
本研究はautophagyを臓器障害の新しい指標として法医診断に応用することを目的とし、種々のマウスモデルと剖検試料を用いて各臓器障害に特異なautophagyの出現パターンを解析するものである。22年度は、その第一歩として心肥大におけるautophagyについて検討を開始した。圧負荷誘導心肥大マウスを作製するため腹部大動脈結紮モデルの作製を試みたが、効率よく心肥大を誘導することは困難であり、また、心肥大に至る期間が長期間必要であった。そこで、より効率良く且つ短期間で心肥大を誘起することが可能な大動脈弓結紮モデルに方法を切り替えて検討した。このモデルマウスの作製には人工呼吸下に顕微鏡下で結紮を行う困難な手術であり、当初失敗を重ねたが22年度終盤になり高い成功率で手術を行えるようになってきた。現在、モデルマウスの作製を続けており、臓器試料の収集に努めている。予備的な知見であるが、圧負荷の初期に著明なautophagyの亢進をタンパク、遺伝子および組織学的レベルで検出している。また、autophagyと協調的に機能すると考えられるユビキチン-プロテアソームシステムも同様に活性化することを見出している。ユビキチン-プロテアソームシステムでは特に免疫プロテアソームのサブユニットの変化が著しく、autophagyと免疫プロテアソームサブユニットを合わせて解析することは、心疾患の病理診断に有用と思われる。来年度以降は、マウス試料の解析を行うとともに、剖検試料の収集に努めてautophagyと免疫プロテアソームサブユニットの解析の心疾患の病理診断における有用性を明らかにする予定である。
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