2012 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーの法医診断学への応用ー新規指標としての有用性の検証ー
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22390142
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木村 章彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60136611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00244731)
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10364077)
近藤 稔和 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70251923)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | オートファジー / プロテアソーム / 心肥大 / 皮膚損傷 / 体内時計 / 法医病理診断 |
Research Abstract |
24年度は大動脈弓部結紮による圧負荷により誘起される心肥大、心不全マウスモデルを用いた検討を23年度に引き続き行った。圧負荷モデルにおいてきわめて早期から心臓にIFN-gammaの発現増加が認められるが、負荷に対する生理的応答の現れである代償性心肥大の発現に強く関わるPI3K/Aktのシグナル活性化がIFN-gamma依存的に誘起されることを明らかにした。従って、IFN-gamma-KOマウスでは生理的応答の欠如から、より強い負荷を変えた場合野生型に比較して死亡率が有意に上昇することを見出した。しかし、その機構に関しての解明は次年度に残された課題であり、この機構へのautophagyと免疫プロテアソームの関わりについてさらに深く追及する予定である。 22年度から行ってきたCisplatinによる腎障害の病態形成におけるautophagyの役割に関する研究で、腎障害の病態形成の初期にautophagyが出現し、保護的に機能することを見出した。更に、IFN-gammaはlysosomeの活性化を介してautophagic fluxを亢進し、保護的に作用することを見出し論文として報告することが出来た。 23年度から行ってきた皮膚の創傷治癒かていにおけるautophagyの解析を24年度も引き続き行い、autophagyの概日性振動が創傷治癒過程で消失する現象に関する検討を行った。皮膚損傷組織では、受傷後極めて早期にHO-1の発現増加がタンパクレベルで認められ、この発現増加にautophagyとは逆位相で振動するP62が関わっている可能性を示唆する結果を得た。また、時計遺伝子の一つであるROR-gも受傷後早期にタンパクレベルで発現が増加することを見出しており、これらの現象の相関を解析して25年度では創傷治癒と体内時計およびautophagyの関係を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した実験計画はおおむね順調に進行して、有用な知見が着実に蓄積されているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度も当初の計画を実施していく予定であるが、22-25年度に得られた知見を論文として纏め、投稿することにも力を注ぐ予定である。
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Research Products
(4 results)