2011 Fiscal Year Annual Research Report
同所移植ヒト悪性胸膜中皮腫モデルを用いた新規抗血管新生療法の探索
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22390166
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
曽根 三郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 客員教授 (40145024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 安彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70274199)
埴淵 昌毅 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80335794)
柿内 聡司 徳島大学, 病院, 講師 (50380100)
後東 久嗣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (00437641)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 同所移植モデル / 血管新生 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
我々はこれまでの検討で、悪性胸膜中皮腫(MPM)の進展においてVEGFが重要な役割を果たしていること、VEGF単独阻害では短期間で耐性化がみられることを報告した(Cancer Sci 2006, Clin Cancer Res 2007, 2009)。耐性化の機序としてVEGF以外の血管新生シグナルへのスイッチが示唆されることから(Front Biosci 2011)、本研究ではMPMの進展に伴う複雑な血管新生メカニズムの病態解明と、血管新生阻害剤の耐性化克服を目指した新規治療の開発を目的としている。 我々はMPM細胞株14株の浸潤能や細胞培養上清のtube formation活性など各細胞株の特性を評価するととちに、これらの細胞株の網羅的遺伝子発現プロファイルとの相関解析およびクラスター解析によって、MPMの進展に関わる遺伝子群を同定した。同定した運伝子群をsiRNAによりノックダウンあるいは遺伝子導入により過剰発現させることによって、実際にMPM細胞の浸潤能に影響を与えることを確認した。さらに我々は、抗VEGF抗体投与下におけるヒトMPM細胞での遺伝子発現の経時的変化を網羅的遺伝子発現解析により評価し、腫瘍血管新生がVEGF以外の複数の血管新生シグナルへスイッチすることによりVEGF単独阻害に耐性となることを確かめた。現在耐性化機序の詳細につきさらに検討を進めている。 MPMに対する新規治療法開発に関しては、ヒトMPM細胞株り同所移植モデルを用いた検討により、新規抗がん剤であるS-1やVEGFR2,FGFR1,PDGFRなどのmulti-kinase inhibitorであるSU6668が、血管新生抑制などを介して腫瘍縮小効果や担癌マウスの生存期間延長効果を示すことを明らかにした(Cancer Chemother Pharmacol 2011,投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトMPM細胞株やその同所移植モデルでの腫瘍組織を用いた網羅的遺伝子発現プロファイルの解析などにより、MPMの進展に関わる遺伝子群およびVEGF耐性に関与する因子群を同定するに到っており、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
MPM細胞株を用いた遺伝子発現プロファイルとの相関解析やクラスター解析により、MPMの進展に関わる遺伝子群を同定したが、次年度はこれらの遺伝子群の発現変化が腫瘍増殖や担癌マウスの生存期間に及ぼす影響についてヒトMPM同所移植モデルを用いて評価する。 また、VEGF阻害剤に対する耐性機序として、in vivoにおける腫瘍血管新生がVEGF以外の血管新生シグナルへスイッチすることを明らかにしたが、今後は耐性化機序の詳細につきさらに検討を進めていく予定である。 以上の研究を遂行するにあたり特に問題となることはない。
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Research Products
(14 results)