2012 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞特異的VEGF過剰発現マウスの解析から帰納される神経免疫システムの発生構築
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22390179
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋口 照人 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70250917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 特任教授 (10381170)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任教授 (20082282)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任講師 (20381171)
大山 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 特任助教 (20583470)
清水 利昭 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50468055)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | VEGF / リンパ節 / 高内皮小静脈 / 免疫 / B細胞 / LPS tolerance |
Research Abstract |
POEMS症候群の臨床病態から着想したB細胞特異的VEGF-A tgマウス (以下B-VEGF tg) の解析により「B細胞産生VEGF-Aの免疫環境構築への役割」を解明した。B-VEGF tgのリンパ節においてはリンパ管新生と高内皮小静脈(HEVs)の形成が促され、リンパ節へのマスト細胞の遊走が観察された。またLPSの腹腔内投与による炎症性サイトカインの発現プロフィールはB-VEGF tg がLPS toleranceを獲得していることを示すものであり、ovalbumin (OVA) 感作に対するOVA特異的IgG1の産生を有意に抑制していた。これらの知見はPOEMS症候群の免疫抑制状態への関与を示唆するものであった。今回の知見はB細胞VEGF-Aは炎症性リンパ節リモデリング反応の中心的役割を果たし、円滑な獲得免疫反応のプロセスに加えて炎症収束の機転までも包含する機能的構造適応である可能性を示した。更に今回の知見はVEGF-Aの血管新生作用の組織多様性を明確に示すものであり、HEVsの分化誘導に関してリンパ節においてVEGF-Aと共役するHEVsへの分化誘導因子が存在するのか、あるいはHEV-stem cell(仮称)へのVEGF-Aの作用としてHEVsが誘導されたのかなど今後の検討課題であると考える。さらに「B細胞産生VEGF-A」の炎症性鉄代謝システムへの関与についてB-VEGF tgは鉄欠乏貧血と思われる表現型であることを明らかにした。この点については更に詳細な分子機序の解明を進める予定である。VEGF-Aの有する血管透過性作用の役割の本質が赤血球代謝‐oxygen deliveryの調節にある可能性を想起できたことは大きな収穫であった。発生分化の鍵分子であるVEGF-Aが血管新生作用と血管透過性作用を有する必然性について更なる分子論的アプローチを展開していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)