2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390222
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
森 則夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00174376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (20362189)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80263911)
鈴木 勝昭 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (00285040)
松崎 秀夫 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (00334970)
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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Keywords | 自閉症 / バイオマーカー / サイトカイン / コホート研究 / Copy number variation |
Research Abstract |
本研究の目的は、臍帯血を用いた自閉症の「血清生化学的診断法」の開発、および、血液、毛根、口腔内スワブなどの検体を用いた自閉症の「遺伝子診断法」の開発にある。平成22年度は、以下の研究を実施した。 (1) 血清生化学的マーカーの網羅的探索 自閉症当事者および保護者の会「アスペ・エルデの会」の協力を得て、自閉症群(100例、年齢5~25歳)と健常対照群(100例、年齢5~25歳)を対象とした。何らかの薬物療法を受けている者、他の精神疾患やてんかんを合併する者、および、IQが70以下の者は除外した。また、性周期の影響を除外するために男性のみを対象とした。その結果、自閉症者30例(7~19歳)、および、適合する健常対照者30例(7~19歳)が選定された。研究についてすべての対象者とその保護者に説明し、書面での同意を得た。空腹時に採取した静脈血より血漿を調整し、サスペンジョン・アレイ法を用いて28種のサイトカイン、成長因子、細胞接着分子について血漿中濃度を網羅的に測定した。その結果、自閉症群においてIL-1β,IL-1RA,IL-5,IL-8,IL-12,IL-13,IL-17,GRO-αの8種のサイトカインが有意に増加していた。これらのサイトカインの血漿濃度と、臨床指標(年齢、IQ、臨床症状の重症度など)との関係について解析したが、有意な相関はなかった。これらサイトカインの上昇から、自閉症者において自然免疫の活性化、ヘルパーTリンパ球におけるTh1/Th2機能の不均衡、および、アレルギー反応の亢進が起きていることが示唆される。この所見はこれまでの自閉症に関する知見と矛盾せず、これらのサイトカインが自閉症の生物学的マーカーであることを示唆するものである。この研究成果については英文学術誌PLoS One誌に投稿し受理され、現在印刷中である。 (2) 浜松医科大学出生コホートにおいて、平成22年度末までに1200名の登録を完了した。全てのコホートについて、定期的な面接により発達指標を経時的に評価しつつ、追跡中である。 (3) 日本人自閉症トリオ(当事者とその両親、100家系)のDNAサンプル収集を完了した。 CNV(Copy number variation)多型の解析を継続中である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Decreased serum levels of adiponectin in subjects with autism.2010
Author(s)
Fujita-Shimizu A, Suzuki K, Nakamura K, Miyachi T, Matsuzaki H, Kajizuka M, Shinmura C, Iwata Y, Suda S, Tsuchiva KJ, Matsumoto K, Sugihara G, Iwata K, Yamamoto S, Tsujii M, Sugiyama T, Takei N, Mori N.
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Journal Title
Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry
Volume: 34(3)
Pages: 455-458
Peer Reviewed
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[Journal Article] Two genetic variants of CD38 in subjects with autism spectrum disorder and controls.2010
Author(s)
Munesue T, Yokoyama S, Nakamura K, Anitha A, Yamada K, Hayashi K, Asaka T, Liu HX, Jin D, Koizumi K, Islam MS, Huang JJ, Ma WJ, Kim UH, Kim SJ, Park K, Kim D, Kikuchi M, Ono Y, Nakatani H, Suda S, Miyachi T, Hirai H, Salmina A, Pichugina YA, Soumarokov AA, Takei N, Mori N, et al.
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Journal Title
Neurosci Res
Volume: 67(2)
Pages: 181-191
Peer Reviewed
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[Journal Article] Further evidence for the role of MET in autism susceptibility.2010
Author(s)
Thanseem I, Nakamura K, Miyachi T, Toyota T, Yamada S, Tsujii M, Tsuchiya KJ, Anitha A, Iwayama Y, Yamada K, Hattori E, Matsuzaki H, Matsumoto K, Iwata Y, Suzuki K, Suda S, Kawai M, Sugihara G, Takebayashi K, Takei N, Ichikawa H, Sugiyama T, Yoshikawa T, Mori N.
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Journal Title
Neurosci Res
Volume: 68(2)
Pages: 137-141
Peer Reviewed
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