2011 Fiscal Year Annual Research Report
^<18>F-標識PETプローブ合成用トータルマイクロリアクターシステムの開発
Project/Area Number |
22390228
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (60143038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 祥三 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00375198)
高橋 和弘 独立行政法人理化学研究所, 分子イメージング科学研究センター, ユニットリーダー (20370257)
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Keywords | マイクロリアクター / PET / F-18 / 標識合成 / 放射性薬剤 / 自動合成 |
Research Abstract |
本センターのサイクロトロンが使用できなかったため、該当年度に予定していた目的:(1)新たな^<18>F-フッ素濃縮チップの試作と評価、(2)プラスチック製反応チップの試作と評価、(3)中間濃縮法の開発、を完全に達成することはできなかった。以下に各目標についての進捗状況と成果を記載する。 (1)新^<18>F-フッ素濃縮チップ:流路幅を4mmから2mmの半分にしたチップを試作し、その評価を行った。チップ内での流体の線速度が変化するため、これまで最適化した印加電圧とターゲット水の流速に関して新たに最適化を開始したが、継続中であり次年度に完了させる。 (2)プラスチック反応チップ:COP(Cyclo Olefin Polymer)樹脂を用いた反応チップをいくつかデザインし、^<18>F-イオンの吸着性と反応性を検討した。石英ガラス製のチップに比べ熱伝導の違いにより、これまでに最適化した反応温度よりかなり高めに加熱する必要があったが、最高使用温度が130℃程度であり、加熱方法やプラスチックスの材質に関し一層の検討が必要であった。 (3)中間濃縮法:反応チップから取り出される反応液をオンライン的に蒸発して濃縮できる中間濃縮チップを試作し、流路容積(流路の数、長さなど)、液体の流速、Heの流速および温度のパラメータに関して最適化を行った。アセトニトリル溶媒に関して最適化が進行中であり、次年度はこのチップからの回収法に関しても最適化を進める。一方、マイクロリアクターで合成される低沸点化合物(気体)に対しては、吸脱着による濃縮法の開発を進めた。^<18>F-標識臭化フルオロメタンを濃縮し、20μLのDMSO溶媒中に捕集して^<18>F-標識アミノ酸を合成し、HPLC分析カラムで精製することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年3月11日に発生した東日本大震災による被災のため予定していたサイクロトロンがこの1年間使用不能となり、他施設の支援を受けてそこで製造された^<18>F-フッ素イオンを用い研究開発を継続できたが、実験回数に限りがあり、年度初めに掲げた目標を達成することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であり、研究課題の目標達成に向け努力するが、サイクロトロンの復旧がいつ頃になるかにより、進行状況が違ってくる。年度初めころは昨年度同様外部の支援施設での実験を継続し、データの集積に努める。
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Research Products
(5 results)