2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経内分泌腫瘍に対する分子生物学的・組織学的特徴に基づいた集学的内照射療法
Project/Area Number |
22390230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
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Keywords | アイソトープ / 内用療法 / 悪性神経内分泌腫瘍 / 神経芽腫 / 褐色細胞腫 / I131-MIBG |
Research Abstract |
合計13例にI-131 MIBG内照射療法を行った。内訳は神経芽腫小児6例、甲状腺髄様癌1例、悪性褐色細胞腫/傍神経節腫6例である。神経芽腫6例中5例は内照射療法後に大量化学療法を経て幹細胞移植・骨髄移植などの骨髄サポートが必要である大投与量(15-18mCi/kg)で行った。成人例は標準投与量の7.4GBq (200mCi)の単一投与で行った。投与時に数日間制吐剤を用いることにより放射線宿酔による消化器症状は、容易にコントロール可能であり、小児例、成人例で各1例ずつ軽度認めただけであった。遊離I-131による放射性唾液腺炎の発現を、小児1例で認めた。10例(77%)では本院入院時の急性期副作用を認めなかった。成人例で効果判定ができている4例中、尿中カテコールアミン低下を2例で、形態画像で病巣縮小を1例で認めた反面、2例では腫瘍サイズに増悪が認められた。本治療の標準的手法の限界が明らかであり、治療効果増強手法の早々の確立が急務であるごとが示された。 MIBGシンチグラフィの診断精度を検討した。検査時の低投与量(111MBq)のI-123MIBGシンチグラフィと、治療時の大投与量(7.4GBq)のI-131MIBGシンチグラフィの投与後3日後(早期像)と7日後(後期像)、SPECT断像撮影像を比較した。病巣検出能は、治療時大投与量I-131MIBGシンチグラフィが有意に良好であり、特に後期像が優れていることが判明した。また、SPECT撮影を追加することにより、病巣部位診断改善が得られると共に、病巣集積と生理的集積の鑑別に有用であることが示された。この結果は、治療時I-131MIBGシンチグラフィでは投与量が多いため、病巣シグナルが多いこと、後期像ではバックグラウンド放射能クリアランスにより病巣対バックグラウンドコントラストが改善するためと考えられる。現在I-123MIBGシンチグラフィは222MBqまでの投与が認められているため、それにより診断能改善が可能かどうか検証することが必要である。
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Research Products
(7 results)