2011 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経内分泌腫瘍に対する分子生物学的・組織学的特徴に基づいた集学的内照射療法
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22390230
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
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Keywords | I131-MIBG / 内照射療法 / 褐色細胞腫 / 神経芽腫 / 悪性神経内分泌腫瘍 / 放射線管理 / 放射線増感作用 |
Research Abstract |
合計22例にI-131 MIBG内照射療法を行った。内訳は神経芽腫小児9例、悪性褐色細胞腫/傍神経節腫13例である。神経芽腫は全例において内照射療法後に幹細胞移植・骨髄移植などの骨髄サポートが必要である大投与量(15-18mCi/kg)で行った。成人例は標準投与量の7.4GBq(200mCi)の単一投与で行った。治療に伴い放射線宿酔による消化器症状が成人例で5例(38%)、小児例で2例(22%)に認められたが、数日間制吐剤を用いることにより容易にコントロール可能であり、嘔吐にいたる事例は皆無であった。体内でI-131MIBGの代謝の結果生じた遊離I-131による軽度の放射性唾液腺炎の発現を、小児3例(33%)で認めた。12例(55%)では本院入院時に急性期副作用を認めなかった。 昨年度~本年度に内照射療法をうけ、現時点で腫瘍サイズ・尿中マーカー値による効果判定を評価可能な成人例16例中、PR3例、SD6例、PD7例であった。標準投与量における内照射療法単独による単回治療の限界が明らかである。 過去の症例を含め予後予測因子を解析した結果、治療後の尿中マーカーの変化が有意な因子であると考えられた。 治療効果増強の手法として、管内で確認中である。 小児例の治療適応決定を細胞周期変調による放射線殺細胞増感効果の有無を、SK-N-SH神経芽腫細胞で検討を行った。カフェイン添加による効果を試験目的にした検査入院で、一例において患児ひとりで放射線治療病室滞在が困難であり、放射線管理上の禁忌と判断された。小児例における本治療実施のためには、医療従事者のみならず両親による治療中の介護介在の必要性が改めて浮き彫りになった。介護者への放射線教育プログラムの構築が急務である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床における内照射療法の実績の積み重ねが順調に行われ、本治療の効果が把握されつつある。効果増強のための基礎的検討をより強固に進展させる必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
試験管内において、glycogen synthase kinase 3-β(GSK3 β)阻害剤、COX-2阻害剤、13-cis-レチノン酸、細胞周期変調剤の放射線殺細胞効果への影響を網羅的に測定する。濃度決定などを行った後に、担癌動物において実験的内照射療法を行い、効果判定をする。
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Research Products
(6 results)