2013 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経内分泌腫瘍に対する分子生物学的・組織学的特徴に基づいた集学的内照射療法
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22390230
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | I-131 MIBG / 内照射療法 / 褐色細胞腫 / 神経芽腫 / 悪性神経内分泌腫瘍 / 放射線増感作用 |
Research Abstract |
悪性褐色細胞腫、傍神経節腫、計12例に関してI-131 MIBG大量療法を施行した(平均年齢43.8才、範囲14-71歳; 平均投与回数1.8、範囲1-4投与; 平均投与量220mCi, 範囲200-450mCi)。治療効果判定では3例PR(画像評価)、5例 SD、2例PDと確認された。初回治療後の2例では、効果判定のため経過観察中である。重篤な副作用は認められなかった。 神経芽腫では、11例に関してI-131 MIBG大量療法を施行した(予防的I-131 MIBG投与1例含む)(平均年齢10.7才、範囲5-21才; 平均投与回数1.3、範囲1-3投与; 平均投与量380mCi, 範囲280-450mCi)。経過を確認している症例に関しては、単回投与で1例 PR、2回投与2例 SD、3回投与例 1例 PRであった。他7例は初回治療後経過観察中である。副作用としては、I-131 MIBG治療後に化学療法、骨髄移植など施行後の骨髄機能低下が2例、甲状腺機能低下が1例に認められた。I-131 MIBG治療後との関連は不明だが腎機能低下1例あった。 褐色細胞腫における過去のこれまでの結果を総括すると、複数回の治療を行うことによる生命予後改善が得られる可能性、初回投与時における効果発現が、予後因子となり得ることが示された。 シンチグラム診断精度管理と普遍化を意図し、撮像条件に関する検討を行った。 基礎的研究としては、神経芽細胞腫由来細胞株SK-N-SH細胞に対してプリンアルカロイドの1種であるカフェイン併用時のI-131 MIBG殺細胞効果と相互作用を検討した。カフェインを0.1~40mMで負荷し、3、6、24、48時間後に細胞数を測定した。カフェイン投与後、全実験群において分散分析で有意に差を認めた(P<.0001)。負荷群では対照群に比べ有意な細胞数の低下を認めた。また、カフェイン負荷時によってI-131 MIBG摂取率低下が確認された。I-131 MIBG単独の投与1時間後、非投与群と投与群の間で有意な細胞数の差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床における内照射療法の実績積み重ねが順調に行われ、本治療効果、毒性その他の把握に前進が得られた。また、放射線治療室における小児例大容量治療例の放射線管理技術の習得が十二分になされた。長期治療効果の予測因子が明らかになりつつある。一方で、治療効果増強のための基礎的検討の進捗がやや不十分であるため、今後一層進展させる必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の積み重ねをさらに継続し、国内症例における本治療意義を明らかとすることを目指す。また、現在治療困難な生活が自立していない幼少児における大投与量治療の手技確率が急務であるため、その実務的問題点を洗い出すとともに、実施に向けた改善を行う。一方、基礎的検討においては、治療効果増感を得るための薬剤修飾による効果発現機構を探査し、その臨床応用への可能性を探る。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Prototype imaging protocols for monitoring the efficacy of iodine-131 ablation in differentiated thyroid cancer.2013
Author(s)
Kobayashi M, Wakabayashi H, Kojima H, Konishi T, Okuda K, Yoneyama H, Kayano D, Tobisaka M, Tsushima H, Onoguchi M, Kawai K, Kinuya S
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Journal Title
Hell J Nucl Med
Volume: 16
Pages: 175-180
DOI
Peer Reviewed
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