2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア機能変化に着目したがん治療応答の新規画像法開発
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22390232
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (20209399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
松島 芳隆 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20282816)
小川 美香子 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 准教授 (20344351)
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Keywords | 放射性医薬品 / 腫瘍 / PET / SPECT / ミトコンドリア / アポトーシス |
Research Abstract |
がん治療法選択・効果予測、治療効果の早期判定を目的として、アポトーシス、酸素といったキーワードと関連の深いミトコンドリア機能変化を非侵襲的にかつ、利用の広汎性の高い手法により評価可能なイメージング法を開発することとした。本研究により新規がん診断用放射性医薬品を開発し、臨床応用可能な治療応答判定システムの確立を目指す。 ミトコンドリア膜電位依存的に集積するイメージング薬剤の開発を目的として、今般のMo-99の供給不足のような事態の回避が可能で、利用の広汎性の高い放射性ヨウ素で標識された薬剤開発を計画した。昨年度、従前よりインビトロにおいてミトコンドリア膜電位の測定剤として使用されていた、H-3-tetraphenylphosphonium (H-3-TPP)の誘導体としてI-125-ITPPをデザインし、予定とは異なる合成ルートであるものの、所期の通りのI-125-ITPPの合成に成功した。今年度本化合物のマウスインビボ体内動態について検討を行ったところ、正常動物においてミトコンドリア膜電位が高いことが知られている心筋に高い取り込みを示すことを見出だし、投与24時間後に明瞭なSPECT画像を得ることが出来た。しかしながら、投与後全身からのクリアランスに長時間を要したため、その理由が脂溶性によるものと考え、さらに脂溶性の低い化合物2種を合成した。 また、ミトコンドリア酸化還元電位依存的に集積を示す新規イメージング薬剤の開発を目的として、ミトコンドリア電子伝達系内で重要な働きをするCoQ10を母体化合物とするイメージング薬剤を開発することとした。CoQの種々の長さの化合物について酸化還元電位を測定したが、アルキル鎖の長さの違いでは大きな酸化還元電位の変化は認められなかった。今後さらに誘導体化について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミトコンドリア膜電位依存的に集積するイメージング薬剤の開発についてはインビホ画像化が達成されたこと、また、ミトコンドリア酸化還元電位依存的に集積を示す新規イメージング薬剤の開発についても評価は順調に進んでいることより。
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Strategy for Future Research Activity |
ミトコンドリア膜電位依存的に集積するイメージング薬剤の開発については、今年度さらに追加して合成した薬剤について、それらの物理化学的性質の評価とインビボ動態を検討し、その相関性について検討を行う。また、インビボ画像化についても検討を行う。また、ミトコンドリア酸化還元電位依存的に集積を示す新規イメージング薬剤の開発については、アルキル鎖の長さの違いでは大きな酸化還元電位の違いは認められなかったので、複素環の誘導体化を行うことで、酸化還元電位の異なる化合物開発を行う。
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Research Products
(2 results)