2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速EPRイメージング法を用いた生体機能の視覚化に関する研究
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22390236
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
藤井 博匡 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70209013)
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Keywords | EPR / MRI / 生理機能 / 酸素 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究課題では、高速化したEPRイメージング装置とニトロキシド分子などを造影剤・イメージングプローベとして利用し、生体機能を可視化する新しいイメージング研究法の開発を目指すものである。本研究課題では三つのプロジェクトを掲げており、昨年度は、プロジェクト1:「高速EPRイメージングシステムによる高分解能イメージング化の実証」研究を行い、EPRイメージング法の高速化を磁場掃引速度の加速化により達成した。今年度はプロジェクト2:「高速化されたEPRイメージング装置を用い、病態モデル動物での酸化ストレスの画像評価法の確立」を行い、病態評価が可能か、創薬研究に貢献できるか、についての評価を実施した。 (1)病態モデル動物の作成について:脳梗塞モデル動物(中大動脈閉塞によるモデル)と、脳炎症モデル動物(リポポリサッカリドを腹腔内や、脳実質内に投与して炎症を起こさせるモデル)を作成することが出来た。 (2)病態モデル動物を用いた酸化ストレスの評価について:脳内の酸化ストレス状態を画像化するために脳内・脳外全域に分布するナイトロオキシドであるHMPを用いて、EPRイメージング画像を経時的に記録した。0.15秒スキャン、181プロジェクションでの条件で、約30秒ごとに三次元画像を取得することが出来た。これらの経時的データから二次元画像をとりだし、HMPの半減期マップであるレドックスマップを作成した。これらのレドックスマップから、炎症状態の持続性やその状態変化、更には、抗炎症薬による炎症効果を画像として評価することが出来た。 今後は、この視覚評価をさらに定量評価に活用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究成果は、当初計画したように、おおむね進んでいる。計画した項目は順調にこなせている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、EPRイメージング装置の高速化、さらには、本装置を用いて、病態モデル動物を活用した病態モニタリング研究を実施している。 今後は、本装置をさらに発展させ、生体機能、生理機能の視覚化、へ挑戦していく。研究計画は当初計画した通りの予定で進行中である。
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Research Products
(1 results)