2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390253
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江川 新一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00270679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 洋毅 東北大学, 病院, 助教 (30422124)
坂田 直昭 東北大学, 病院, 助教 (50431565)
岡田 恭穂 東北大学, 病院, 助教 (10375074)
|
Keywords | 膵癌 / 胆道癌 / 免疫療法 / WT1ペプチドワクチン / SEREX法 / 腫瘍特異的抗原 / 化学療法 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
膵・胆道癌は画像診断・外科手術・抗がん剤治療・放射線治療の発達した現在においても極めて難治な癌であり、免疫治療は大いに期待される分野である。抗がん剤との併用により膵・胆道癌のbiologyが変化し、併用効果が期待できる。本研究では未だ腫瘍抗原が同定されていない膵・胆道癌に対して、HLAが一致する場合にはWT1ペプチドワクチンによる癌ワクチン療法、一致しない場合には自己腫瘍を負荷した活性型樹状細胞αDC1による特異的免疫療法の臨床試験を行う。臨床試験では安全性と効果をみることにより、難治性の膵・胆道癌に対する癌ワクチン療法の確立を行う。なお、どちらも前治療としての抗がん剤治療を継続し、抗がん剤と併用する癌ウクチン療法として樹立する。並行して、免疫染色、膵・胆道癌の培養細胞株を用いてWT1を標的とした癌ワクチン作用のメカニズムを明らかにする。樹状細胞に自己腫瘍を負荷した免疫療法を受けた患者血清を利用し、プロテインアレイ・SEREX法により新たな癌ワクチン療法の標的となりうる腫瘍抗原を同定することを目的としている。 倫理委員会の承認を得て「化学療法抵抗性の進行・再発膵癌に対するWT1ペプチドを用いた免疫治療パイロット研究(UMIN000001515)」を32名の患者に実施し、通常であれば3-6か月と考えられる生存期間中央値が、全身状態が良好な場合にワクチン投与後8か月と期待できる成果が上がった。免疫応答を遅延型皮膚反応、WT1特異的T細胞の測定により評価した。大阪大学、慈恵医科大学にて行われた第I相試験の結果と合わせて、「切除不能進行膵臓癌に対するゲムシタビン併用WT1ペプチドワクチン化学免疫療法とゲムシタビン単独療法のランダム化第II相臨床試験多施設共同研究(UMIN000005248)」を計画し、今後症例集積を開始する。
|