2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の網羅的DNAメチル化解析による癌症例層別化
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22390255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金田 篤志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (10313024)
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Keywords | 癌 / エピゲノム / エピジェネティクス / マイクロアレイ / 次世代シーケンサー / 情報工学 |
Research Abstract |
DNAメチル化は最も重要なエピジェネティック変化の一つであり、DNAメチル化異常を詳細にゲノム上にマッピングし癌のエピゲノム異常を解明し消化器癌症例を層別化することは、癌の複雑な遺伝子制御異常を明らかにするために必須である。先行している大腸癌では前年度までにエピジェノタイピングを終了し3つの異なるメチル化エピジェノタイプを報告したが(Yagi et al. Clin Cancer Res 2010)、今年度は前癌病変として大腸腺腫50例、大腸異常腺窩12例、大腸正常粘膜26例について樹立したマーカーのメチル化を質量分析機MassARRAYを用いて定量解析を終えた。今後症例を増やしメチル化蓄積と発癌機序の関係を明らかにする。肝癌について、オリゴをプローブに用いたゲノムタイリングアレイによる我々のMeDIP-chip技術を用いてDNAメチル化を詳細にマッピングした。 HBV(+)肝癌、HCV(+)肝癌にそれぞれ特異的なメチル化候補部位を抽出、肝癌症例65例についてMassARRAYによる定量的メチル化解析を行った。その結果HCV(+)肝癌特異的にメチル化される15遺伝子を同定し、またそれらの遺伝子のメチル化が良好な予後と相関することを報告した(Deng et al. Cancer Sci 2010)。胃癌のメチル化解析はInfiniumビーズアレイを用いて行っている。階層的クラスタリングを行うと胃癌にもメチル化の程度により複数のエピジェノタイプの存在が示唆されており、今後50-80例に増やして胃癌症例を層別化し、その原因にせまるため臨床因子との相関を解析していく。
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Research Products
(17 results)