2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工心臓及び再生医療を用いた重症心不全に対する集学的治療法の確立
Project/Area Number |
22390266
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮川 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70544237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90448035)
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60437316)
坂口 太一 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10467574)
吉川 泰司 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40570594)
白川 幸俊 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20457013)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
本科研において、補助人工心臓を装着した患者の左室補助人工装着時、および心臓移植になった心臓の組織解析を行った。特に、当研究室では、左室補助人工心臓を装着した拡張型心筋症患者に対する筋芽細胞シート移植の臨床研究を行っている。これまで左室補助人工心臓を装着した患者4例と、左室補助人工心臓を装着していない拡張型心筋症3例、虚血性心筋症3例に筋芽細胞シート移植を行った。 左室補助人工心臓を装着した拡張型心筋症4例に筋芽細胞シートを移植したが、そのうち3例が左室補助人工心臓より離脱した。うち1例は、心不全が悪化し、再度植え込み型人工心臓を装着した。筋芽細胞シートを移植したにもかかわらず、心機能が向上しなかった1例は、昨年度末心臓移植が行われ、その心臓サンプルの解析を行った。 人工心臓装着時の組織サンプルと比較したところ、CD31組織染色では、筋芽細胞シート移植後は比較的血管径の太い血管が多数増勢しており、血管密度も移植前と比較して増加していた。また、Cardiac myosin heavy chainを染色したところ、人工心臓装着時のサンプルにおいては、心筋細胞質内の発現は乏しかったが、筋芽細胞シート移植後は同心筋骨格蛋白の発現増強を認めた。人工心臓より離脱した患者の人工心臓離脱時の組織サンプルも入手しており、細胞シート移植前と後の組織学的変化を検討中である。 また、人工心臓を装着した患者で、心機能が改善している患者と改善していない患者の組織サンプルを用いて、線維化の度合い、細胞外基質内のコラーゲンの組成、組織幹細胞の集積に関して違いがあるかを現在検討中であり、これらの結果は次年度に報告する予定である。
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