2010 Fiscal Year Annual Research Report
周術期における低酸素誘導性因子による酸素代謝制御の分子機構の解明
Project/Area Number |
22390298
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
広田 喜一 京都大学, 医学研究科, 講師 (00283606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 勇馬 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378746)
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Keywords | 低酸素 / 周術期 / 低酸素誘導性因子 / 酸素代謝 / 分子生物学 |
Research Abstract |
酸素は生命の維持に必須の分子であるが一方その過剰や代謝異常は生体にとって有害である。周術期患者管理の最重要目的の一つに患者において酸素の需給バランスを"適切に"保つということが挙げられる。本研究の目的は、さまざまな要因で変化する周術期の酸素代謝の変動を低酸素誘導性因子1(hypoxia-inducible factor 1, HIF-1)の活性化状態と関連づけて理解しよりよい周術期管理法の開発につなげていくことである。 すでに提出済の実験計画に基づいて本年度は以下の研究成果を得た。 #1 硫化水素が細胞の低酸素応答に及ぼす影響についての検討 硫化水素ドナーNaHSは細胞の低酸素誘導性HIF-1の活性化をミトコンドリア,VHL依存的に阻害することを培養細胞,マウスをいた検討により示した。 #2 タバコ抽出液が肺胞上皮機能に与える影響の検討について II型肺胞上皮細胞のモデル細胞として頻用される樹立細胞株A549細胞を用いたタバコ抽出液(CSE)への暴露モデル,マウス喫煙モデルを用いて、タバコによりhypoxia-inducible factor 1(HIF-1)の強い活性化が起こることを見いだしていた。 今年度はその活性化機序の分子機構について解析を行い,活性酸素がこの活性化において重要な役割を果たしていることをすと共にこの活性化がHIF-1a蛋白質の細胞内安定化によるものというよりはHIF-1a蛋白質のmRNAからの翻訳過程を促進すでHIF-1aの発現増強とHIF-1の活性化をもたらすことを明らかにした。 またさらにHIF-1依存的にタバコ暴露により活性化を受ける遺伝子としてREDD1を同定してCOPDの成立におけるHIF-1の役割ついての解析に着手した。
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Research Products
(4 results)