2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本小児肝がんスタディグループの新たな治療戦略のための分子基盤の構築
Project/Area Number |
22390328
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上松瀬 新 広島大学, 大学病院, 病院助教 (90569881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
小倉 薫 広島大学, 大学病院, 講師 (10346653)
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (90309352)
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Keywords | 癌 / トランスレーショナルリサーチ / 薬剤反応性 / マイクロアレイ / 臨床 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、JpLT-2で治療され、腫瘍が保存されている約200例の腫瘍と、細胞株としてHepG2、JpLTで樹立した細胞株JPHB-1,2,3を用いた。 1.網羅的遺伝子変化の検索:前年度と合わせて約100例の肝芽腫腫瘍DNAを現有のGeneChipシステムにてSNPアレイを用いて、全染色体上にある約300万個のSNPsのシグナルを検出した。同一患者の正常組織と比較し、染色体1q,2q,3p,17qに加えて11q,13pに高頻度に異常を認めた。 2.網羅的遺伝子発現の検索:全ゲノム型の発現解析アレイにて検索した結果を、ゲノム異常のある部位と関連から、ゲノムに依存して変動している遺伝子とそれ以外で変動している遺伝子群に層別した。これらをパスウェイ解析した結果、WntシグナルとPI3K/Aktシグナルの変動が抽出され、ゲノム異常による変化に引き続き変動が生じつている可能性が示唆された。 3.Wntシグナル異常、テロメラーゼとネットワーク解析:本症で高頻度に見られるWntシグナル異常、それと昨年関連が示されたTERT(telomerase reverse transcriptase)について、そのネットワークを解析したところ、その下流遺伝子として、MYC,CyclinD1,PPARα、Survivinの有意な発現上昇がみられ、肝芽腫の生物学的特性との関連に示唆された。臨床リスク分類との関連から、TERTとWntシグナル関連遺伝子にて特性を層別し、Cyclin D1とSurvivinに着目した。 4.セルテスティング、アニマルテスティング:上記の2遺伝子についてSiRNAによる肝芽腫細胞株での遺伝子発現阻害では、Survivin抑制にて細胞増殖抑制がみられたが、NOD-SCIDマウスへの腫瘍接種による効果判定では単独遺伝子抑制では効果はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試薬の手配が遅れて、予算の繰り越しを行った。成果では、得られた分子標的については、本年度はCychn D1,Survivinの単独の抑制実験までしか至らなかったため、やや進捗は遅れていると考えられる。しかし、臨床的リスク分類との比較ができたので、この点はほぼ予定通りの進捗であった。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた分子標的について、引き続きMYCを標的として検討する予定であり、可能であればsurvivin,cyclin D1などの分子標的を重複して抑制する実験を研究分担者と共に継続する予定である。
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Research Products
(25 results)