2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔常在細菌による制御性T細胞の活性化とガン増殖との関連性
Project/Area Number |
22390352
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柴田 健一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50145265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 晃 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90281815)
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Keywords | 制御性T細胞 / リポタンパク質 / TLR2 / B16メラノーマ |
Research Abstract |
C57BL/6ならびにToll-like receptor2ノックアウト(TLR2KO)マウスにおけるB16 melanomaの増殖に及ぼすStreptococcus gordonii (Sg)の野生(WT)株(SgWT)ならびにリポタンパク質欠損(LPKO)株(SgLPKO)の影響を検証した。C57/BL6ならびにTLR2KOマウス背部皮下に5×10^4個のB16メラノーマを接種し、4日ならびに9日後に、熱処理したSgWT株ならびにSgLPKO株(4×10^8cfu)を同じ背部皮下に免疫し、経日的に腫瘍の大きさと致死率を調べた。最終免疫の1日後に所属リンパ節のFoxp3+の制御性T細胞(Treg)の変動をそれぞれ異なった蛍光色素で標識したanti-CD4,anti-CD25,anti-Foxp3抗体で三重染色することによりフローサイトメーターで調べる。その結果、WT株がLPKO株よりも強くガンの増殖を抑制することを明らかにした。また、所属リンパ節におけるCD4^+CD25^+の活性化T細胞の数は増加していたが、免疫を抑制するFoxp3^+のTregの数は減少していた。また、所属リンパ節におけるガン抗原特異的なCTL活性を蛍光色素BCECFを用いて測定したが、良好な結果はえられず、現在新たにCr51の放出によりCTL活性を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの2回の動物実験で、口腔レンサ球菌菌体が抗腫瘍活性があり、その活性にTregが関与しているという結果は得られている。ただ、リポタンパク質欠損株と野生株で、それらの抗腫瘍活性に、1回目の実験では差がみられたが、2回目の実験では差がみられなかった。また、蛍光色素BCECFを用いたCTL活性の測定がうまく行かず、解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2回の動物実験で、口腔レンサ球菌菌体が抗腫瘍活性には再現性よがみられたが、リポタンパク質欠損株と野生株の活性に再現性がなく、現在3回目の動物実験を準備中である。さらに、蛍光色素BCECFを用いたCTL活性測定法をCr51を用いるCTL活性測定に変更するために、現在RIセンターでの実験実験準備を行っている。
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