2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄細胞の分化におけるシグナルネットワークの新しいパラダイムの構築と臨床への展望
Project/Area Number |
22390357
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 伸之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60272605)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20233760)
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00302886)
|
Keywords | Notch / Hey1 / 分化 / 歯髄 / 歯髄細胞 / 象牙芽細胞 / 石灰化 / Sp7 |
Research Abstract |
歯髄細胞が象牙芽細胞に分化・成熟する過程で様々な因子が関与していると推察されるが、そのメカニズムの詳細はいまだ明らかではない。我々はこれまでに骨芽細胞分化においてNotchシグナルが重要であることを明らかにした。Notchシグナルは骨芽細胞の未分化性を維持する上で重要な働きを担っていた。歯髄組織においてもNotchシグナルは発現しているとともに、骨芽細胞と同様に歯髄細胞の未分化性を維持する上で重要な働きを担っていた。Notchシグナルの下流にある因子としてHey1があり、Hey1の強制発現により歯髄細胞の象牙芽細胞への分化・成熟が抑制された。 また、骨芽細胞分化に重要な因子の一つであるSp7を歯髄組織において発現動態を調べたところ、成熟象牙芽細胞の核内のその局在が認められ、歯髄細胞の分化・成熟に大きな役割を担っている可能性が示唆された。そのため、歯髄細胞のSp7を強制発現したところ、象牙芽細胞の分化マーカーの一つであるDspp (Dentin Sialo Phospho Protein)発現が増加した。すなわち、Sp7は歯髄細胞の分化を正の方向に制御する因子の一つと推察される。 このような所見を元に、歯髄細胞の分化・成熟に関与するシグナルの全体像を明らかにし、その結果をふまえて臨床において、歯髄組織を再生させる場合に、未分化な歯髄細胞と分化した象牙芽細胞のコンプレックスを誘導できるシステムを構築していく。
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Wnt Signaling in Odontoblast Differentiation Induced by BMP2010
Author(s)
Y Koizumi, N Kawashima, K Takimoto, S Takahashi, J Xu, N Suzuki, M Zhou, M Yamamoto, A Salima, T Sugiyama, H Suda
Organizer
8th World Endodontic Congress
Place of Presentation
Athens
Year and Date
20101006-20101009
-
-
[Presentation] Promotive effects of Sp7 on Dspp expression2010
Author(s)
N Kawashima, J Xu, T Iwata, S Takahashi, Y Koizumi, K Takimoto, Z Mengyu, C Ohi, N Suzuki, T Sugiyama, H Suda
Organizer
89th IADR General Session & Exhibition
Place of Presentation
Barcelona
Year and Date
20100714-20100717
-
-
-