2010 Fiscal Year Annual Research Report
回復期リハビリテーション病棟における看護管理実践の理論化と普及
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22390437
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
酒井 郁子 国立大学法人千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (10197767)
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Keywords | 回復期 / リハビリテーション / 看護管理 / エンパワメント / 専門職連携 |
Research Abstract |
平成22年度は回復期リハ病棟の看護チームをエンパワーする看護管理実践を可視化し理論化することを目標として研究活動を展開した。チームのエンパワー実践に関する学際的知見を広く文献検討し、海外の事例に関しても学会などで情報収集した。また看護管理および病院管理に関するインタビューを実施し、「自らのチームエンパワメント体験」「リハ看護に望むこと」「回復期リハ病棟の看護管理に期待すること」に関する語りを収集する。次に回復期リハ病棟を有する病院の病院長および看護部長に同様のインタビューを実施し、語りを収集した。また回復期リハビリテーション病棟の病棟看護管理者に、リハ看護の専門職性および発展過程に関するヒアリングを実施し、リハ看護の専門性、看護師の専門職性、看護管理として価値を置いていること、チームをエンパワメントした経験、所属部署のチームの発展の過程と自らの管理的貢献に関する語りを収集した。看護チームをエンパワーする管理実践として、「多職種チームの食い違う方針のなかで患者の希望にもっともそう形でのリハ方針の決定」のために「看護・介護チームが対話する環境をつくること」が挙げられた。また「多職種チームと協働可能な看護職の育成」について気にかけ、「看護師としての能力の開発」と「専門職連携共同実践能力の開発」とのバランスを取ることができるようにスタッフにかかわっていた。これらの管理実践は、看護管理者の「患者の長期的回復を信じる」信念が支えていた。 今後は、回復期リハ病棟における看護チームの専門職性の構成要素と発展過程,チームのエンパワー実践を定性的定量的に評価するための指標および評価方法を検討する予定である。
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