2010 Fiscal Year Annual Research Report
生活と医療を統合する継続看護マネジメント能力を育成する教育プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
22390440
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長江 弘子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 特任教授 (10265770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 静子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80263143)
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Keywords | 生活と医療の統合 / 継続看護 / マネジメント / 教育プログラム / 実践能力査定 |
Research Abstract |
平成22年度は教育プログラムの開発としてステップ1:教育プログラムの理論的枠組みの構築のための継続看護マネジメント能力の概念を明確化する目的で実施した。 研究方法はHybrid Model(Schwartz-Barcott&Kim、1986)を用いた概念分析を行った。 Hybrid Modelは、(1)文献レビュー、(2)フィールド調査(3)分析的統合の段階がある。このうち、本年度は(1)の結果を報告する。この分析過程は研究班全員で行い、分析結果の集約には、カナダのビクトリア州立コロンビア大学で行っている質的研究のメタ統合について造詣の深い香川大学の片山陽子先生を招き、専門的知識を提供してもらった。結果、看護師の行う生活と医療を統合するケアマネジメントの特性は、先行因子として、「地域包括型医療ニーズの増大」「患者中心のケア、OQLの重視の医療の高まり」「病院の機能分化」があり、特に「複雑な家族環境にある人」「慢性的・進行的病状を持つ人と家族」に焦点当てた看護実践であることが示された。特徴的な看護実践は「ケアの対象となる人の選定」「病院のコストと質の高いサービスのバランスをとる退院計画」「個別化した今後の生活での問題の同定」「患者の状態とサービス機能のモニタリング」を通して、「病状の安定」「患者・家族の自立による療養生活の安定」「サービス満足度の上昇」「患者管理コスト抑制」「スタッフの満足度の上昇」などの成果を生み出すものとして概念化された。 以上のことから、生活と医療を統合した継続看護マネジメント能力を育成することは、患者・家族の療養生活の安定のみならず、ケア提供者の育成や病院のコスト管理にも有効な成果を生み出すものと考えられた。今後はこの結果をフィールド調査の結果と及び国内文献と統合し、教育プログラムの基本的な考え方として、日本の実情に合った看護師教育のプログラムとして開発していくことが重要と考えている。
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