2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活と医療を統合する継続看護マネジメント能力を育成する教育プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
22390440
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長江 弘子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 特任教授 (10265770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80263143)
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Keywords | 概念開発 / 継続看護 / マネジメント / 退院支援 |
Research Abstract |
平成23年度は継続看護マネジメント能力を育成するための暫定的教育プログラムの開発を目的として研究を実施し、成果を国内および国際学会で発表した。 昨年度の文献レビューと概念分析の結果、看護師の行う生活と医療を統合するケアマネジメントの特性は、「地域包括型医療ニーズの増大」「患者中心のケア、OQLの重視の医療の高まり」「病院の機能分化」によって引き起こされ、特徴的な看護実践は「ケアの対象となる人の選定」「病院のコストと質の高いサービスのバランスをとる退院計画」「個別化した今後の生活での問題の同定」「患者の状態とサービス機能のモニタリング」の側面を持っていた。その結果、「病状の安定」「患者・家族の自立による療養生活の安定」「サービス満足度の上昇」「患者管理コスト抑制」「スタッフの満足度の上昇」などの成果を生み出すものとして概念化された。 今年度は、この概念を日本の看護実践に照らし合わせ、日本の実情に合った看護実践として概念化するため、国内の文献と退院調整看護師、ならびに訪問看護師を対象にしたフィールド調査の結果統合し、「継続看護マネジメント(仮)」概念を精選した。その結果、日本に特有の側面には家族とともに生活する上での療養の場の選択、治療やサービス利用の選択など家族と患者の合意形成によって家族として新しい関係形成などが特徴として見出された。これらは国内及び国際学会での発表で我が国の特色として関心が持たれた。 以上のことから、欧米諸国では病院のコスト管理や費用効率化に重点があったのに対し、我が国の生活と医療を統合した継続看護マネジメントとは、患者と家族が共に暮らすことに和解し、協働生活にむけた支援プロセスに焦点がある。よって我が国独自の生活文化に合った看護実践として概念化することが必要であり、地域における継続看護マネジメントの実態調査を行い、その結果を反映させることとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を国内外に公表することにより、概念開発の必要性とともに我が国の文化に根差した看護実践に焦点を当てる重要性が示唆された。そこで本年度は教育プログラムの立案であったが急遽実態調査を追加した。この調査結果を反映させ、概念の現実性を確認したのちに教育プログラム作成と取り掛かることは次年度以降の目的達成に有用なステップになると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
教育プログラムの実施と検証にあたっては、経験年数別の段階的プログラムを実施するため妥当性を判断するサンプル数が不足することが考えられる。そのため、研究班を目的別に役割分担し、調査結果を早期に分析するグループと暫定的教育プログラムを実施するためのフィールドのリクルートを進めるグループとに分かれ、同時進行で取り掛かる予定である。
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