2013 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア民俗文化の新たな枠組の構築をめざす基礎的研究
Project/Area Number |
22401038
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古家 信平 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40173520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩一 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (00165888)
丸山 宏 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00229626)
武井 基晃 筑波大学, 人文社会系, 助教 (00566359)
徳丸 亜木 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90241752)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 民俗社会 / 霊的職能者 / 台湾 / 法師 |
Research Abstract |
本研究は東アジア民俗社会の基底に「第4の霊的領域」を仮定し、これまでに提起されている神、先祖、祭られざる先祖(鬼や無縁仏を想定)の3つの霊的領域に、これを加えて考察することにより、畏れやたたりといった感覚的な表現であらわされる感情を解明することを目的としている。これにより、日本本土、南西諸島、韓半島、台湾、中国大陸東海岸地域の人々の行動を規定する共通の「行動規範」を、具体的事例をもって指摘したい。 このような目論見の下に、今年度は物質文化資料の収集と韓国、台湾、南西諸島の現地調査を行い、一次資料の整備に努めた。台湾の調査においては、道士、法師による儀礼の執行に際して、寺廟を中心として四方に霊界の衛兵を配置することによって、邪悪な例の接近を防ぎ儀礼を円滑に執行する過程が見られる。これまでは地形図が公開できなかったために正確な位置を押さえられなかったが、今回はこれを地図化して現地の人々の言う境域とその意味付けを客観化することができた。また、台湾南部の霊的職能者の判示場面の観察を行い、1988年に行ったデータとの相違を分析する準備ができた。現地調査においてはそこで使われている言語による記録が求められるが、現地の人々の台湾語によるやり取りの一部は日本語への翻訳が完了した。 もう一つの成果としては、いわゆる伝統的な儀礼のプログラムが人々の希望に沿う形に現代的装いをもって再編成される事例を記録したことである。これはある種の政治的意図によっていくつかの宗教集団が動員され、不慮の死者供養を行うものであった。新たに組み合わされた儀礼の過程と依頼者の意味付けを明らかにし、民俗の現代的様相を記述できた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)