2010 Fiscal Year Annual Research Report
EU経済統合と社会経済イノベーション:新リスボン戦略と地域開発
Project/Area Number |
22402024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
八木 紀一郎 摂南大学, 経済学部, 教授 (30116511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 泰朗 摂南大学, 経済学部, 教授 (20165195)
田中 宏 立命館大学, 経済学部, 教授 (10163560)
清水 耕一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (00235649)
徳丸 宜穂 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (00387656)
土井 康裕 名古屋大学, 経済学研究科, 講師 (70508522)
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Keywords | 欧州2020 / 経済統合の(非)制度化 / スマートな成長 / サステナブルな成長 / インクルーシブな成長 / 越境地域協力(CBC) / NAFTA / EU |
Research Abstract |
1. 初年度として、現在のEUの政策構想を認識すること、参加者の従来の研究を共通テーマに結合する必要があり、5回の研究会を開催した。2人の欧州研究者を招へいしてアドバイスを受け、3件の欧州パイロット調査をおこなった。公表物は、まだ過去の研究の延長が主である。 2. 欧州連合は、野心的に過ぎたリスボン戦略(知識基盤経済)の目標を達成可能なものに修正するとともに環境保全と社会的包摂をとりいれた新戦略構想(欧州2020)を2010年に採択した。本研究では、まずこの構想を紹介・検討するとともに、環境およびエネルギー戦略にかかわっているドイツの研究者、科学技術・イノベーション政策にかかわっている北欧の研究者を招へいしてアドバイスを受けた。 2. 代表研究者は、この新構想をプロジェクト内部の研究会で報告・検討するとともに一般公衆向けのシンポジウムで、それを2つのSと1つのI(スマートな成長、サステナブルな成長、インクルーシブな成長)からなる成長戦略として紹介した。また、2010年はじめのメキシコ滞在をふまえて北米(NAFTA)と欧州(EU)の経済統合について比較し、とくに労働移動について着目して「制度化」と「非制度化」の対比をおこなった。 3. フランス・ベルギーの越境地域協力(CBC)およびイノベーション、北ドイツおよびデンマーク地域の地域開発戦略、および北欧(フィンランド)地域の国際的科学技術政策につい各1人の研究分担者を現地に派遣して海外調査をおこなった。 4. 欧州経済は金融危機による環境激変が、異なる条件をかかえた諸国を統合した単一通貨圏の脆弱性を露わにしているが、これまでの統合深化を逆転させることは不可能である。通貨・金融・財政問題の解決とともに、地域の産業・経済社会の競争力育成というリスボン戦略以来の課題に向けた着実な前進が期待されている。
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Research Products
(16 results)