2010 Fiscal Year Annual Research Report
西洋における「家」の発見:日欧対比のための史的実証研究
Project/Area Number |
22402027
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 基泰 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 晶子 神戸大学, 大学院・人文学研究科, 准教授 (30464259)
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Keywords | 「家」 / 西洋村落社会 / 対比研究 / 住居 / 市場経済形成期 |
Research Abstract |
本年度は、研究打ち合わせをした後、市場経済形成期の日・欧各地域における家々を直系家族・農業経営組織体・住居を対比軸として歴史学的に抽出し直し、なおかつ日本の「イエ」研究を整理し、累積研究会で専門家間の議論を重ねるところから始まった。本来の年度末である2011年3月には、イギリスの経済史家Craig Muldrew博士、ドイツ南西部の家族史の専門家Janine Maegraith博士並びにフランス・ピレネー地方家族・相続の専門家Marie-Pierre Arrizabalaga博士を招へいし、国際シンポジウムを開催する直前までいったが、折からの東日本大震災で延期となった。主要メンバーの多くが東日本であったために、西洋における「家」の発見累積研究会を経て回復するところから出発している。その間も海外現地研究者の暖かな励ましに支えられた。ドイツについては、本研究代表者は南部のシュワーベン地方シュトゥットガルト公文書館および近郊農村部を調査し、連携研究者平井進教授が北部、とくに北海沿岸部を中心に史料紹介を公刊した(国際比較研究会編『国際比較研究』第7号(2011)、資料、149-73頁)。フランスに関しても南部ピレネー地方を中心に系譜学研究の動向調査に着手している。その過程での分析結果は一部、業績に掲げた国内・海外学会報告(社会経済史学会全国大会および東北部会、国際農業史学会の各セッション)で活用している。さらに、対比研究の方法論確立のために、基本資料としてM・スパフォド著『コントラスティング・コミュニティーズ』の一部翻訳も行い、社会経済史と系譜学の架橋に寄与するものとして上記『国際比較研究』誌に収録した。
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