2012 Fiscal Year Annual Research Report
食文化におけるコンタクト・ゾーンとソフト・パワーの社会学的研究
Project/Area Number |
22402040
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
FARRER James 上智大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40317508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ASSMAN STEPHANIE 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (10400441)
吉野 耕作 上智大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50192810)
WANK David 上智大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60245793)
小井土 彰宏 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (60250396)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会学 / 文化人類学 / 食文化 / ソフト・パワー / グローバル化 / コンタクト・ゾーン |
Research Abstract |
平成24年度は昨年度に引き続き、プロジェクトの研究代表者および研究分担者は各々の役割分野に関してフィールドワークを進展させた。具体的には、ファーラーは、第1に、上海における国際レベルのレストラン文化の成長に関して現地調査、第2に、日本食のグローバルな拡大に関していくつかの地点で調査を行った。吉野は、「マレーシア料理」というカテゴリーの展開をエスニック、ナショナル、トランスナショナルなさまざまな角度から調査、考察した。ワンクは、北アメリカにおける日本食のローカル化に関してフィールドワークを行った。アスマンは、日本におけるスロー・フード・ムーブメントのフィールドワークを行った。また比較事例として台湾においても調査を行った。小井戸は、北アメリカにおけるエスニック・フードの雑種化に関する調査を行った。これらの個別の研究調査に加えて、数回のミーティングを通してそれぞれの研究の知見の交換および相互の研究に対する批判的議論を行った。加えて、個々の事例研究を有機的にまとめるために、理論的枠組みの構築に向けた文献の検討を行った。 平成25年6月にはシンポジウムを計画している。同シンポジウムの参加者の人選を兼ねて、また編著書の出版の内容を具体的に計画する上で、国際的な食文化研究者との交流を行った。さらには、ヨーロッパ、アジア、北アメリカにおけるワークショップに積極的に参加した。その結果、今後の研究を展開し研究成果を公表するための有意義な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの進行状況である。ほとんどのフィールドワークは完成に近づいているが、研究者によって進行状況に多少の差があるのも事実である。それは、調査プロジェクトの規模の差によるものである。トランスナショナルなエスノグラフィーの性格上、複数のサイトにおける調査が必要な事例もある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であり、国際シンポジウムを開催する。加えて、シンポジウムで参加者から得たフィードバックを組み入れた追調査的フィールドワークを行う。それぞれのメンバーは編著書を構成する各章の執筆を行い、国際的な出版社と出版の協議を始める。
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