2012 Fiscal Year Annual Research Report
EISCATレーダーを用いたジオスペースに関する国際協同研究
Project/Area Number |
22403010
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (60212130)
宮岡 宏 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10150046)
小川 泰信 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00362210)
大山 伸一郎 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (20444424)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | EISCAT / ジオスペース / リモートセンシング / 超高層大気 / 国際協力 / 北極域 / レーダー / 電離圏 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、スカンジナヴィア北部とスヴァールバル島に設置されている世界で第一級の欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダーシステムを主に、各種レーダー(MFレーダー、流星レーダー、SuperDARNレーダー等)や光学観測装置(ライダー、FPI、オーロライメージャ等)を併せ用いて、極冠域からカスプ、オーロラ帯、サブオーロラ帯にまでいたる広い領域において実験観測を行い、ジオスペース(惑星間空間、磁気圏、電離圏、熱圏、中間圏)における様々な基本的かつ重要な物理・化学過程の総合的研究を行い、ジオスペースの理解を大きく前進させることである。平成24年度は、国内共同利用研究者から応募のあった15件のEISCATレーダー特別実験を採択し、実施条件等を検討して、11件の特別実験を実施した。これらは、極冠域熱圏変動、イオン上昇流・オーロラ変動現象、脈動オーロラ、大気温度変動などをターゲットとした観測であり、テーマによっては、ALIS、FPI、ナトリウムライダー、MFレーダー、GPSなどとの同時観測として実施した。一部の実験については、国際協同として実施し、英国、ノルウェー、スウェーデンなどと共同研究を行った。電離圏電流、イオンー中性大気衝突周波数、極冠域中性風などについて、新たな知見が得られている。具体的には、1)Cowling channelにおけるジュール熱の増減とポインティングフラックスの流れを明らかにした。2)新たなCowling channelモデルでオーロラアークの緯度方向の動きが説明できる新たなメカニズムを提示した。3)下部熱圏高度のイオン-中性大気衝突周波数の時間変化をEISCATレーダーデータを用いることで推定することに成功した。これらに基づいて、平成24年度研究代表者および分担者により、13編の査読有り論文(第一著者4編)を発表し、9件の招待講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内共同研究者(連携研究者)から申請されたEISCATレーダーを用いた特別実験を11件実施し(内7件は、国際協同実験として実施)、ナトリウムライダー、オーロライメージャー、FPIなどの各種観測装置による北極域超高層大気の観測研究を進め、国際協同研究を推進している。これらを基に、研究成果(査読付き論文13編、招待講演 8件)が出ている。さらに、別予算(名古屋大学太陽地球環境研究所および極地研究所共同研究集会)にて、11月と3月に「EISCAT研究集会」を開催し、EISCATレーダーを用いた研究成果を発表・議論するとともに、次期計画であるEISCAT_3Dについて議論を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
例年通り、国内共同研究者(連携研究者)から申請されたEISCATレーダーを用いた特別実験を実施し、国際・国内共同研究を進め、極域ジオスペースに生起する各種現象の解明を進める。より効果的に実験を行なうため、他加盟国との共同実験・共同研究を検討する。また、EISCAT_3D計画について、国内共同研究者の意見を集約する機会をもうけ、議論を深める。JpGU meeting 2013 において、特別国際セッションを開催し、EISCAT_3D計画についての集中的に議論を行なう。国内での議論を基に、ノルウェー、スウェーデンなどの他EISCAT科学協会加盟国との議論を深め、EISCAT_3D計画の実現へ向けて邁進する。
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Research Products
(31 results)