2011 Fiscal Year Annual Research Report
大陸のテクトニクス:大陸の姿・形を変えた様子を古地磁気学から探る
Project/Area Number |
22403012
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学研究科, 教授 (90160895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 康司 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (10510745)
山崎 和仁 神戸大学, 理学研究科, 助教 (20335417)
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Keywords | 中止 / 代替研究 / マレーシア / 白亜紀 / ジュラ紀 / エチオピア / Oligeocene / インドチャイナ |
Research Abstract |
今年度の主調査対象に、(1)ユーラシア大陸北東部の北東シベリア・チュクチ半島に分布する白亜紀層を考え、交渉を行った。ところが、極東地質調査所の研究員もロシア政府から調査許可をとることができず、チュクチ半島での調査は中止することとなった。 中止の報告をうけて、今年度の調査の可能性をあげていた(1)中国・四川省の三畳紀洪水玄武岩層、(2)スマトラ島のジュラ紀層(乙藤・宇野)に加えて、(3)マレーシアのジュラ紀・白亜紀層、(4)エチオピアの古第三紀層の4項目を研究対象と考え、それぞれの国の関係当局との交渉をおこなった。その結果マレーシア大学との共同研究が2011年12月に、アジスアベバ大学との共同研究が2012年3月に実施のはこびとなった。 マレーシアに分布するジュラ紀・白亜紀層の調査:2011年12月16日-2011年12月26日、日本人研究者5名とマレーシア大学研究者2名の調査隊を作った。(1)Jerantut周辺で黄白色の砂岩を4箇所で採取,(2)タマンネガラ・クアラタハンを基地として地質調査をおこない、Tekai川沿いの15箇所で黄白色~赤色の砂岩を採取、(3)Muadam Shah周辺で黄白色の砂岩を採取。計28箇所から120kgの岩石試料を採取した。現在、岩石より古地磁気研究用の試料の整形をおこない、残留磁化の測定を開始した。 エチオピアに分布する古第三紀層を研究対象:2012年3月25日~4月14日、日本人研究者3名、エチオピア研究者3名の6名の調査隊をつくる。エチオピア高原のDebark周辺でOligoceneの火山岩を採取。 すでに海外調査で採取した岩石の古地磁気学的研究から、(1)中国中部域に分布する赤色砂岩の伏角を制御する要因、(2)ヒマラヤ西部域のテクトニクス、(3)インドチャイナ半島南端のテクトニクスについての結果が求められ、論文化した。出版あるいは印刷中となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外で試料採取した岩石中に、測定可能な残留磁化の存在することがわかることこそ、研究の目的の達成可能な必要条件である。このことは、すべての採取岩石試料で満足している。
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Strategy for Future Research Activity |
海外における調査では、今年度のように調査研究対象地域のある、政府当局の都合で、調査許可が得られない場合がある。あるいは、今年度のタイ・カンボジアの洪水のように、自然災害で調査が不可能になることもある。そこで、できるだけ多くのプロジェクトをつくり、多くの国の関係当局との複数・同時交渉が必要である。複数・同時交渉はすでに実施している。
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