2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22404016
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塩崎 賢明 神戸大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20127369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北後 明彦 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (30304124)
近藤 民代 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50416400)
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Keywords | 住宅復興 / 四川大地震 / コミュニティ / 被害実態 / 建物補修 / チャン族 / 都江堰 |
Research Abstract |
農山村部集落(スーファン市紅白鎮)において住宅復興の実態調査を行った。 紅白鎮は、集落がほぼ全滅したが、地盤の被害はそれほどでないため、もとの地域での大規模な市街地再編が行われた。2009年夏に計画案ができており、それがどの程度実現しているか、また被災者はどのように個々の住宅を確保したか、を調査した。具体的には、紅白鎮政府を訪問し、概要の説明を受けた。また、紅白鎮内の3つの村(松林村、紅白村、木瓜坪村)において、住民に対してインタビューを行った。紅白鎮の復興は前面的に再編したものの、従前の土地からそれほど離れずに、自宅を確保したものが多いということがわかった。ただし、他の地域から移り住んだものもあり、そのウエイトは明らかでない。 新北川県住宅団地-北川県は都市全体が大規模な地盤崩落に飲み込まれ、全滅した。このためもとの都市を放棄し(今も立ち入り禁止状態)、約20km離れた別の地に新都市(計画人口7万人)を建設した。新北川ニュータウンはすでにほぼ入居が終わっており、被災者の生活が展開されている。住宅はそれなりに満足のいくものであるらしいが、周辺に雇用の場がなく、遠くまで働きにいかなければならない。現在、団地に隣接してハイテク工業地区が建設されつつあるが、少数民族でスキルのない被災住民がそこで雇用されるかどうか見通せていない。 一方、都市部の住宅復興として、都江堰市内の濾都家園で居住者に値するインタビュー調査をおこなった。この団地は、水電10局の社宅団地が全壊して住めなくなった人々の受け皿として、建設された(それ以外の住民も入居している)。 また、四川大地震との比較の視点から、東日本大震災の被災と復興の状況について、主として津波被災地の実態調査を子なった。津波地域は四川地震と全く様相が異なるが、高台移転などの復興は、新北川の集団移転などとも似た側面があり、比較の対象と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国での調査研究はおおむね、当初の計画通りすすんでいるが、東日本大震災の発生により、中国側の関心も高く、両者の比較をするということから、当初計画になかった研究的意義をもつようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
四川地震の住宅復興を経年的変化を捉えながら追跡することを予定通り続けながら、その後発生した、噴火災害の復興状況を把握し、また世界的に注目を集めている東日本大震災の復興状況について比較の視点を持ちながら、把握し、国際的な学術交流に発信していくことを目指す予定である。
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