2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本発侵略的外来植物の分布拡大に伴う適応進化、侵略性発現に関する研究
Project/Area Number |
22405004
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上原 浩一 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (20221799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 達明 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (40178322)
野村 昌史 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50228368)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 侵略的外来植物 / 系統進化 / イタドリ |
Research Abstract |
イタドリは、路傍や荒地まで様々な場所に生育するタデ科の大型多年生植物で、日本と韓国、中国、台湾に分布する。また、19世紀以降園芸植物として欧米に導入されたものが侵略的外来種として大きな問題になっている。イタドリは種内変異に富み、外部形態や、葉緑体DNAにおける地理的分化が確認されているがこれまでの解析は不十分と考えられていた。本研究はイタドリの分布地域で、詳細な遺伝的解析を行うとともに欧米の侵入地域を調査、侵略的外来種イタドリの伝搬経路と侵略性獲得機構を明らかにすることが目的である。これまでに国内調査を進めるとともに、22年度は自生地域である韓国,23年度は侵略的外来種として蔓延する英国の調査・サンプリングを行ってきた。24年度は、新たに日本国内では徳島県、香川県、高知県、愛媛県、新潟県、和歌山県、長崎県、大分県、沖縄県で調査サンプリングを行った。海外調査は6月14日~6月24日まで上原が北米東海岸調査を行った。テネシー州グレートスモーキー山国立公園の自然地域と,ノースカロライナ州、バージニア州、ワシントンDCにて日本産の侵略的外来種イタドリ、スイカズラの採集を行った。また、8月26日~9月1日まで上原ほか1名が北米西海岸調査を行い、ワシントン州シアトル周辺の人里地域とオリンピック国立公園の自然地域でイタドリ、オオイタドリ、および両者の雑種個体のサンプリングを行った。23年度に調査し、サンプリングした英国産イタドリについては核DNA ITS領域の解析が終わりすべて同一の塩基配列を持ち、日本国内の日本海沿岸に分布するイタドリと関連性が強いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葉緑体DNAおよび核DNAの塩基配列を用いた日本国内の種内変異の分布状況はかなり明らかになってきている。24年度は侵入地域北米大陸を2回にわたり広域調査し十分なサンプリングも行うことが出来た。調査で得られた試料を解析していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の調査は自生地域である台湾、および侵略地域のヨーロッパで調査を行う。遺伝解析はこれまでのシークエンスによる解析に加え、マイクロサテライトマーカーを用いた解析も進める予定である。
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