2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次捕食者をモデルとした北方海洋生態系多次元モニタリングネットワークの構築
Project/Area Number |
22405007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 和士 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70301877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 曜子 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (40538279)
綿貫 豊 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (40192819)
米崎 史郎 独立行政法人水産総合研究センター, 遠洋水産研究所, 研究員 (30463102)
服部 薫 独立行政法人水産総合研究センター, 北海道区水産研究所, 研究員 (50443388)
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Keywords | 高次捕食者 / 北方海洋生態系 / バイオロギング / モニタリング |
Research Abstract |
温暖化などの環境変動が心配される今日,北方海洋生態系を保全し,持読可能な利用を確保することが重要な課題となっている.この課題を克服するためには,北方海洋生態系を共有する各国の協力が必要となる.特に,生態系変動を計測するためのモデルとして,近年注目されている海棲哺乳類や海鳥類などの高次捕食者は,日本近海を摂餌海域とし,極東ロシア島嶼海域を繁殖海域としていることから,各海域における情報をネットワークで共有することにより,生態系モニタリングを行うことが必要となる.本研究では,国境を越えて広域に回遊する高次捕食者をモデルとして,発信器,データロガーおよび音響テレメトリーなどの多次元計測によるモニタリングネットワークを構築することを目指して研究を行っている. 本年度は,極東ロシア島嶼海域において鰭脚類,オーストラリアのタスマニア島において海鳥類の調査を行った.国内では,北海道においてトドおよびゴマフアザラシ衛星発信器を装着し,北海道からロシアまでの回遊を追跡した.また,タスマニアにおいてハシボソミズナギドリに光センサを搭載したロガー(ジオロケーター)を装着し,オーストラリアからオホーツク海やベーリング海への長期回遊行動を追跡した. さらに,実際に高次捕食者が食べていた餌情報を得るために,オットセイの胃内容物および安定同位体による摂餌履歴解析を行った.また,餌生物の長期変動を明らかにするため,1950~80年代に北海道沿岸で行われたオットセイ捕獲調査によって得られた胃内容物を分析した. これらの結果については,国内や海外での学会で発表したほか新聞・テレビに報道された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,北方海洋生態系を利用する高次捕食者に動物装着型記録計を装着して生態系モニタリングを行っており,当初の計画通り,ロシアやアメリカ,オーストラリア,イギリスなど,各国の研究者と協力して共同研究を行うことができ,ネットワークの構築がされている.
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Strategy for Future Research Activity |
ロシアヘの小型機器持ち込みに関する許可が得られなくなり,日本周辺やオーストラリアなどで機器の装着を進めている.今年度は最終年度であるため,各研究者の成果を持ち寄り,ワークショップを行う予定である.
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] 迷子アザラシの回遊追跡調査2012
Author(s)
三谷曜子, 高橋菜里, 高石雅枝, 廣崎芳次, 片倉靖次, 宮下和士
Organizer
第27回北方圏国際シンポジウム公開講座
Place of Presentation
紋別市文化会館(北海道)(招待講演)
Year and Date
2012-02-22
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