2012 Fiscal Year Annual Research Report
黒龍江省における米産業の発展メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
22405032
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加古 敏之 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 名誉教授 (00121533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 正一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30222425)
朴 紅 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80312396)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 黒龍江省農墾区 / 技術移転 / ジャポニカ米 / 精米業者 / コメ輸入 / 稲作の発展 / 機械化技術体系 / 試験研究 |
Research Abstract |
1.黒龍江省農墾区では、農場長責任制や職工農家の生産請負制の導入に伴い農業生産は基本的には収益性に基づく農家の自主的判断により行われるようになったことをデータで確認した。1994~98年と2004~10年の二期間に、稲作の10a当たり利潤が畑作物の利潤と比べ大幅に上昇したが、こうした稲作の相対的な収益性の上昇に農家は敏感に反応して、小麦、雑穀等の畑作物からコメへの作付転換を急速に進めた。 2.農墾区では、中・大型機械化技術体系を装備した10~20haの大規模稲作経営が厚い層をなし、稲作面積のほぼ7割を耕作している。聞き取り調査結果から大規模経営の稲作規模拡大意欲が強いことが明らかとなったので、今後も大規模稲作経営が大宗を担う稲作経営構造が一層展開してゆくと予想される。 3.農墾区における最大の精米業者である「北大荒米業」は、グループ参加農場の産地化を図るとともに、籾保管・精米加工を行い、輸出を含む販売を行っている。しかし、集荷した籾の精米割合は低く、集荷した籾をそのまま販売する割合が高くなっている。精米加工事業が拡大しない背景には、稲高米低や輸送費が高いという問題もあるが、基本的には北大荒米業の販売不振があることを明らかにした。 4.ジャポニカ米の国際競争力という視点から見ると、黒龍江省産米は、価格と品質の両面で競争力を持っており、これまでも日本のSBS米輸入で大きなシェアーを占めてきた。日本のコメ市場が完全に自由化された場合を想定すると、黒龍江省産米の日本国内における小売価格は日本産米の半分以下となり、大きな消費者メリットが存在する。日中韓FTA交渉やRCEP交渉で日本のコメ輸入の関税率が引き下げられたり、MA米の輸入枠が拡大されると、黒龍江省産米の対日輸出が増加する可能性が高まる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)