2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマーの地理的特性に着目したインフルエンザ監視:多剤耐性と新型重症化
Project/Area Number |
22406013
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 玲子 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30345524)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 眞 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30045786)
長谷川 剛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90251800)
藤井 雅見 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30183099)
大家 正泰 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70108017)
|
Keywords | ミャンマー / インフルエンザ / 薬剤耐性 / オセルタミビル / 遺伝子解析 / サーベイランス |
Research Abstract |
研究の目的:ミャンマー国におけるインフルエンザ疫学と分子疫学的な特徴および、薬剤耐性インフルエンザの出現について調査する。 研究実施計画:ミャンマー国ヤンゴン市及びネピドー市の外来で急性呼吸器疾患を呈した患者をインフルエンザの迅速診断キットでスクリーニングを行い、新潟大学にてMDCK細胞を用いてウイルス分離培養を行った。さらに、リアルタイムPCRのサイクリングプローブ法を用いて、抗インフルエンザ剤のオセルタミビルに耐性となるNA遺伝子275位His→Tyrを新型インフルエンザ株でスクリーニングした。また、HA遺伝子シークエンスにより、新型インフルエンザの遺伝子グループを決定した。 2010年5-9月までの4ヶ月間に582名をインフルエンザ迅速診断キットでスクリーニングし、咽頭ぬぐい液を採取した。新型インフルエンザは231件、A/H3N2は9件、B型は99件分離され、2010年には雨期に新型インフルエンザの流行があったことが判明した。ミャンマーで分離された新型インフルエンザは、NA遺伝子275位に変異はなくオセルタミビル耐性株はなかった。新型インフルエンザの樹形図解析からは全てClade 2のウイルスであり、日本で2009年に全国的に流行した新型インフルエンザと同じ群に属していた。同じ年にはミャンマーには新型インフルエンザの地域流行はなく、H3N2が流行したことが我々の調査で判明しており、ミャンマーは半鎖国状態のため新型インフルエンザの流行が1年遅れたと考えられる。インフルエンザのサンプリングは現在も続行中である。
|
Research Products
(4 results)