2010 Fiscal Year Annual Research Report
時間概念を導入したAmbient Calculusによる物流システムの記述
Project/Area Number |
22500040
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
樋口 昌宏 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00238289)
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Keywords | プロセス代数 / 時間制約 / タイムアウト処理 / 物流監視システム |
Research Abstract |
物流管理システムの構築への応用を想定し、動的に変化するオブジェクトの階層関係の記述に適したプロセス代数であるAmbient Calculusの時間拡張について考察を進めた。 まず、従来のAmbient Calculusのケーパビリティアクション(in, out, open)に加えて、制限時間付きケーパビリティアクション、待機ケーパビリティを導入した時間付きAmbient Calculusの構文規則と遷移規則を定めた。時間付きAmbient Calculasでは指定した時間に必ず行わなければならない動作、指定した時間にのみ許可される動作を記述できるほか、タイムアウト処理を記述することができる。 次に、時間付きAmbient Calculusの記述性を確認するために、陸上競技場においてランナーがトラックを周回している間に、スタート時にランナーが使用したスタートブロックを作業員が撤去するシステムを記述した。ランナーが周回に要する時間の下限、作業員が撤去に要する時間の下限と上限を指定し、タイムアウト表現を用いることで、ランナーと作業員が同時にスタートゴールゾーンを表すAmbientに存在することがないような式を自然に記述することができた。 また、時間付きAmbient Calculusによる物流記述をもとに、実際の物流が記述どおりに行われているかどうかを監視するシステムの構築方法についても考察し、物流監視のみならず、信号機などを用いて記述通りの物流を誘導するシステムの構築方法を与えた。
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