2011 Fiscal Year Annual Research Report
並列問題の通信特性を有効活用する光ネットワークオンチップの網構成と通信方式
Project/Area Number |
22500042
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
吉永 努 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (60210738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 健文 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (70506732)
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Keywords | ネットワークオンチップ / 光ネットワーク / 通信方式 / 低消費電力 / オンチップルータ / ネットワークトポロジー / 高スループット通信 / サーキットスイッチング |
Research Abstract |
本年度の研究実績を以下に列挙する. (1)光NoCアーキテクチャのネットワークトポロジーに関する考察 光NoCに有望なネットワークトポロジーとして,光リングのみで実現する方式と電気クロスバ・スイッチとの併用方式について検討した.その結果,各々消費電力と通信性能にトレードオフがあり,目的に合わせた光NoCアーキテクチャの最適化が可能であることを示した. (2)光NoC通信仕様の詳細設計 上記2つの光NoCアーキテクチャに対して,光ルータの構成やそれを用いた通信仕様を詳細設計した.また,光波長多重方式における通信メッセージへの波長割当て方法について検討した結果,動的波長割当が高負荷時の通信衝突緩和に有効であることを明らかにした. (3)ネットワークシミュレータの改良 前年度に試作したネットワークシミュレータを上記(1)と(2)に基づいて改良した.また,並列プログラミングインタフェースMPI(Message Passing Interface)を用いて記述したプログラムから通信トラフィックを収集し,そのトラフィックを用いてネットワークシミュレータを用いた評価が行えるようにした.さらに,消費電力を評価するためのコードを追加した. (4)並列問題の通信最適化 並列問題によって,通信パターンや通信量が異なる.また,光NoCにはセットアップコストの小さな静的波長割当と,セットアップコストは大きいが,通信衝突の緩和に効果を持つ動的波長割当が存在する.そこで,通信メッセージサイズに注目し,並列問題に特化した光NoCの通信最適化が重要であることを実験検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に記載の1.価格性能比に優れた光NoC向けネットワークトポロジー,及び2.アプリケーションの通信特性を考慮した光NoCの高性能通信方式設計,に対してそれぞれ成果が得られつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,試作したネットワークシミュレータを使用した実験により,8~256コア用の光NoCについて,通信性能,スケーラビリティ,ハードウェア量,消費電力の各面から詳細に評価する必要がある. なお,研究分担者1名が本研究分担を平成24年度は辞退するため,分担者の役割であった並列問題に対する通信最適化に関しては,大学院生に研究を補助してもらう必要がある.
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