2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディリクレ過程混合ARMAモデルによる時系列クラスタリング
Project/Area Number |
22500261
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
末松 伸朗 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (70264942)
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Keywords | ディリクレ過程 / ディリクレ過程混合モデル / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / ARMAモデル / 時系列クラスタリング / 自然共役事前分布 |
Research Abstract |
ARMAモデルを要素モデルとするディリクレ過程混合(DPM)モデルを用いた時系列クラスタリングを実現した. DPMモデルを使ったデータ解析では,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法によって事後分布に従うパラメータのサンプルを生成する.要素モデルがARMAモデルという,パラメータの自然共役事前分布が存在しないモデルであるため,ここで用いるMCMCアルゴリズムは,従来知られている最も基本的で効果的なアルゴリズムを使うことができない. この問題を回避するための方策も提案されているが,本研究では,非常にシンプルな新しい方法を提案して用いた.この手法は,DPMモデルに対するMCMC法の,最もシンプルな形のギブスサンプリングに基づき,1データが与えられたときの事後分布からのサンプリングにおいてのみ,メトロポリス・ヘイスティングス法を用いているため,DPMモデルの要素モデルが非常に複雑なものであっても適用が容易である.従ってこの成果は,今後期待されている,DPMモデルの利用範囲の拡大において重要な意味を持つ. ただし,今年度に行った実験において課題も見つかっている.一部の実データにおいて,予想される程度を越える多数の細かいクラスタに分けられる,というものである.ベイズ解析においてこのような結果が生まれる要因の第一候補は,モデルとデータの不整合である.すなわち,モデルの仮定するノイズの特性が,データの実際の特性とうまく整合していないと予想される.今後,詳細な調査を行い,ARMAモデルによって取り扱うことの出来る範囲をより明確にするとともに,その範囲を広げるための方策について検討を行う.
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Research Products
(5 results)