2012 Fiscal Year Annual Research Report
中脳ドーパミン系の投射様式とパーキンソン病の発症に関与する神経基盤の解明
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22500307
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
松田 和郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80444446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 治 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (80239772)
古田 貴寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60314184)
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
薗村 貴弘 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40347092)
宇田川 潤 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10284027)
本間 智 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40285581)
安田 宗義 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10440752)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / ドーパミン / 黒質 / 線条体 / 大脳基底核 / 単一細胞 / シンドビスウイルス / トレーサー実験 |
Research Abstract |
本研究では遺伝子組換えを行ったシンドビスウイルスをトレーサーとして用いて大脳基底核の黒質におけるドーパミン細胞単一細胞レベルで再構成し、定量的解析を行った。まず黒質線条体路においては、単一のドーパミン細胞の軸索はほぼ線条体のみに広範囲かつ高密度に分布していることが分かった。また、μオピオイド受容体との二重染色により、単一ドーパミン細胞の軸索は線条体のストリオソーム(パッチ)とマトリックスのコンパートメントに同時に送られることも明らかにされた。以上のことから、パーキンソン病における黒質ドーパミン細胞の脆弱性と予備力という二面性が説明される。すなわち、パーキンソン病ではドーパミン細胞の7割以上が脱落して初めて発症し、残存するドーパミン細胞においてもなおドーパミンの前駆体(L-dopa)が有効であることが知られているが、この原因として単一のドーパミン細胞の有する広範囲かつ高密度な軸索投射により線条体に何重にも軸索が重なりあっていることが予備力を実現していると考えられた。一方で、細胞の生存に必要な栄養・代謝バランスの面から考えると、ドーパミン細胞が非常に広範囲かつ高密度な軸索投射を有していることがエネルギー需要を著しく増大させるため脆弱性の原因になっていると推定された。すなわち、ドーパミン細胞は脆弱性と予備力という一見相反する性質を備えており、その神経基盤が形態学的に説明付けられた。 また、本研究では、線条体から淡蒼球内節、黒質網様帯、淡蒼球外節に投射する経路の解析を行った。この結果、ストリオソームのみならずマトリックスにも直接路(淡蒼球内節/黒質網様帯への投射)と間接路(主として淡蒼球外節への投射)投射細胞が存在することが判明した。また、ストリオソームにおける線条体黒質路細胞だけが、黒質緻密帯に主として出力し、一定量の側副路を淡蒼球、黒質網様帯に出力することも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)