2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の新規治療戦略:神経幹細胞の経静脈的移植
Project/Area Number |
22500360
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
王 芙蓉 金沢医科大学, 付置研究所, 研究員 (30566922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伸郎 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10152729)
須貝 外喜夫 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90064625)
孫 鵬 金沢医科大学, 付置研究所, 研究員 (80555053)
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Keywords | アルツハイマー病 / モデルマウス / モリス迷路 / 空間学習 / 脳由来神経栄養因子 / BDNF / 3xTg / 細胞内アミロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)患者への塩酸ドネペジル投与は、普及しているが対症的でしかない。原因物質アミロイドβに対するワクチンも不可逆的ニューロン喪失には無力である。ニューロン喪失への対抗手段として、神経幹細胞による補填は有効であると考えられる。申請者はADモデルマウスに神経幹細胞を尾静脈経由で投与し、これが脳内に移行し生着することを報告した。本研究では、脳内移植した神経幹細胞が、ホスト脳での認知学習の改善に寄与するかどうかを調べている。認知改善効果のBDNF(神経成長因子)依存性を明確にする。定位脳手術による移植では認知学習の改善はBDNFの産生に依存したと報告されている。我々の経静脈的移植の場合でもBDNF依存的かどうかを確かめる。これらを3年間の目的としているが、そのうち当年度においては、まずADモデルマウスのひとつであるトリプルトランスジェニックマウス(3xTg)を使って行動解析を行った。その結果、当研究室に設置されたモリス迷路において、野生型に比べてモデルマウスでは有意に空間学習が劣っていることが確認できた。BDNFの発現を高めることが知られている経頭蓋磁気刺激を3xTgマウスに施行し、モリス迷路学習の改善されることが判明した。その際、BDNF遺伝子発現の増大をリアルタイムPCRで、神経新生をBrdU法で明らかにした。また、認知行動異常の分子細胞レベルでの基盤を電気生理学的ならびに組織学的に明らかにする実験においては、認知行動を解析したあとのマウスから、海馬と新皮質のスライス標本を作製し、細胞の興奮性をパッチクランプ法で評価し、モデルマウスの皮質錐体細胞において興奮性上昇が判明した。
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Research Products
(1 results)