2011 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の新規治療戦略:神経幹細胞の経静脈的移植
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22500360
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
王 芙蓉 金沢医科大学, 医学部, 研究員 (30566922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伸郎 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10152729)
須貝 外喜夫 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90064625)
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Keywords | アルツハイマー病 / モデルマウス / モリス迷路 / 空間学習 / 脳由来神経栄養因子 / BDNF / 3xTg / 細胞内アミロイド |
Research Abstract |
ADモデルマウスのひとつ(3xTg)で、電気生理学的ならびに組織学的にモデルマウスの皮質錐体細胞における興奮性上昇が判明した。BDNFの発現を高めることが知られている経頭蓋磁気刺激を3xTgマウスに施行することにより、モリス迷路学習の改善されることも判明した。反復経頭蓋磁気刺激を1Hz、10Hzおよび15Hzと異なる3種の周波数で試行したところ、モリス迷路における成績は周波数依存的に改善されることが判明した。これに呼応し、細胞レベルでの記憶学習モデルである海馬長期増強(LTP)も、周波数依存的に改善した。経頭蓋磁気刺激による認知行動の改善と海馬可塑性の改善とが関連していた。皮質錐体細胞における興奮性増大も経頭蓋磁気刺激によって改善されることが解った。10Hzでの刺激後に、BKチャンネルの分子発現をRT-PCRで調べたところ、有意な発現増加が検出された。これは、3xTgにおける興奮性増大が経頭蓋磁気刺激によって正常化される際に、膜電位の鎮静化作用のあるBKチャンネルを分子発現の増加によって活性促進していることを意味する。さらに、BKチャンネルを活性促進することが知られている細胞内アダプター蛋白質であるHomerlaも、経頭蓋磁気刺激によって発現増大することが判明した。このHomerlaは野生マウスでも経頭蓋磁気刺激によって発現上昇することが判明した。また、15Hzでの経頭蓋磁気刺激によってAβ軽減の起こることがELISA法で判明した。このように、アルツハイマー病モデルマウスを使って電気生理学的・行動学的・分子生物学的解析を有機的に関連させながら実行し、経頭蓋磁気刺激をモデルケースとしてモデル治療の成績を評価する手法は確立できたが、まだ幹細胞移植を用いた実験を本格的に開始するには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
経頭蓋磁気刺激をモデルケースとして、アルツハイマー病治療の成績を評価する手法は確立できたが、治療法として最終ターゲットにしている幹細胞移植には到達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
神経幹細胞の移植を早急に試みる。
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Research Products
(6 results)