2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500391
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
亀谷 美恵 東海大学, 医学部, 講師 (50338787)
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Keywords | マーモセット / 造血幹細胞 / 免疫不全マウス |
Research Abstract |
本研究は、マーモセット造血幹細胞及びリンパ臓器を用いたBLTマウスの作製を目的としている。本年度は、新生仔個体の骨髄を用い、昨年度に引き続きマーモセット造血幹細胞の同定を目的として、抗マーモセットCD34モノクローナル抗体、CD117抗体を用いて骨髄細胞を染色し、セルソーターにより各画分を精製した。これらの細胞を重度免疫不全マウスであるNOGマウスに移植し、移植後4週間から12週間で各種リンパ臓器を摘出した後、細胞浮遊液を調製し、蛍光ラベルした抗マーモセット抗体で染色し、分化した細胞をフローサイトメトリーにより解析した。また、これらの組織をマーモセット組織を認識することが明らかになっている抗HLA抗体による免疫組織染色、CD117抗体染色による共焦点顕微鏡およびフローサイトメトリー、各種マーカー遺伝子のプライマーを用いたRT-PCRにより、マスト細胞を含むミエロイド系への分化およびCD19陽性B細胞とCD3陽性CD8陽性T細胞を含むリンパ球系への分化を確認した。さらに、移植後4週のNOGマウスにおけるCD34+CD117+細胞(造血幹細胞)の同定に成功した。(論文作成中)。これらの結果は、CD34+CD117+細胞がミエロイド系、リンパ球系の両者に分化する多分化能を有し、また、NOG個体中での自己複製能も有していることを示しており、造血幹細胞を含むことを示している。つまり、本研究における造血幹細胞の同定という目的は既に達せられたと考えられる。24年度は、これらの造血幹細胞を用いてBLTマーモセット作製を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きな目的である造血幹細胞の同定が計画通りに達成されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、造血幹細胞を同定した後、造血幹細胞及び胎仔リンパ系組織を用いたBLTマウスを作製し、免疫系の再構築を諮る予定である。ただ、近年ヒトBLTマウスの作製と解析が進展し、当初の推測ほどヒト免疫系が再構築されないことが明らかとなっており、BLTの作製について、改変が求められる事が予想される。本研究では、マーモセットBLTマウス作製の後、ヒト同様に遺伝子改変NOGマウス作製などが求められる。これに関しては、同時に勧めている基盤Sのプロジェクトと協調して開発に当たる予定である。
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Research Products
(11 results)