2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢進行性内耳障害を誘起する新規遺伝性難聴モデルマウスの開発
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22500397
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
美野輪 治 独立行政法人理化学研究所, 疾患モデル評価研究開発チーム, 開発研究員 (00181967)
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Keywords | 難聴 / 内耳 / 加齢性 / 老人性 / ENU / mutagenesis / 非症候群性難聴 / マウス変異体 |
Research Abstract |
ENU-mutagenesisにより代表者は聴覚関連遺伝子機能解析のモデルとなる突然変異体マウスの検索を大規模に実施し、23系統の難聴マウス変異体を単離した。これらの点突然変異による遺伝性難聴マウスは、HDFN(ヒト非症候群性難聴)のモデルになり得るが、HDFNを、ヒト加齢性・老人性難聴と比較して同様の病態の存在を示すのは簡単ではない。HDFNには多数の進行性難聴が含まれるものの、その加齢変化、進行性内耳障害に関する詳細な解析は乏しく、一方、ヒト加齢性・老人性難聴に関し遺伝的要因がどの程度関わるかについては殆ど解明されていない。しかしながら、HDFNの既知の原因遺伝子群が極めて多様性に富み、かつ未だ多数の原因遺伝子未知家系が存在する事を考慮すると、これら2つの病態の中に、共通の発症機構が存在する可能性は有るのではないかと考えられる。実際、HDFNの加齢変化が報告されている多くの例で、その原因遺伝子の老人性難聴への関与が示唆されてきた。ヒトでの実験的な解析には限界があるため、HDFNのよいモデルであるENU-mutagenesisによる遺伝性難聴マウスの表現型・発症機構の解析が、加齢性難聴を理解するための重要な知見をもたらす可能性があると期待される。 代表者は上記ENU変異体repertoireの初期解析を進める中で、聴覚表現型として顕著な加齢性聴力低下を示す系統を含む、5系統の新規難聴変異体候補を同定した。これらの系統は、未知難聴遺伝子に点変異を持つと考えられ、新しい難聴遺伝子の発見に繋がる可能性が高い。当該年度において、これらの原因遺伝子変異同定を目的とし、物理地図作製、表現型連鎖解析によるマッピングを行い、この内の1系統に既知の難聴遺伝子の存在しない約1.6Mbの領域を同定した。この領域中に新規の難聴因子と考えられる遺伝子変異を発見し、この変異体が新規の難聴系統である事を確認した。更に、表現型解析、組織学的解析を遂行し、加齢性難聴モデルとしての意義を検討するための基礎的知見を獲得する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規難聴変異体候補の一系統について、新規の難聴因子と推定される遺伝子変異を同定し、その表現型解析を行うと同時に、他系統の詳細マッピングを並行した。当該難聴系統は表現型の遺伝的浸透率が低く、表現型連鎖解析の規模を拡大する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
新規難聴系統の候補について、難聴遺伝子の探索を推進する。表現型の遺伝的浸透率が低い系統の連鎖解析について規模を拡大するとともに、塩基配列決定、表現型解析の効率化を図る。
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Research Products
(1 results)