2012 Fiscal Year Annual Research Report
加齢進行性内耳障害を誘起する新規遺伝性難聴モデルマウスの開発
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22500397
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
美野輪 治 独立行政法人理化学研究所, 疾患モデル評価研究開発チーム, 開発研究員 (00181967)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 加齢性難聴 / ENU誘発変異体 / 非症候群性難聴 / 難聴モデルマウス / 難聴遺伝子 |
Research Abstract |
加齢性難聴は老化に伴う進行的な感音難聴であり、その発症機序として、複雑な分子生物学的、生理学的変化が考えられている。しかしながらはその全容は未だ不明な点が多く、機序解明のためには、加齢性難聴の良い動物モデルが不可欠である。 一方ヒト遺伝性非症候群性難聴(HDFN)の世界で同定された原因遺伝子は50に上り、原因遺伝子未同定のグループも50近くに上る。その原因遺伝子から推定される内耳の障害は多岐に及び、難聴発症機作が著しく多様であることを示す。理研において樹立されたENU誘発難聴変異体マウスは、表現型解析の結果から非症候群性と考えられる点で、HDFNの良いモデルである。 HDFN には多数の進行性難聴が含まれるものの、その加齢変化、進行性内耳障害に関する詳細な解析は乏しく、逆に、ヒト加齢性・老人性難聴に関し遺伝的要因がどの程度関わるかについては未解明の部分が多い。しかしながら、HDFN の既知の原因遺伝子の種類が極めて多様性に富み、かつ未だ多数の原因遺伝子未知家系が存在する事を考慮すると、これら2つの病態の中に、共通の発症機構が存在する可能性がある。HDFN のよいモデルであるENU誘発遺伝性難聴マウスの表現型・発症機構を解析する事は、加齢性難聴を理解するための重要な知見をもたらす可能性があると期待される。 本研究において、新規のENU誘発マウス難聴系統の遺伝的連鎖解析、配列決定による原因遺伝子の同定を進め、2系統において、新規の難聴遺伝子を同定した。これらは、マウスでもヒトでも聴覚における機能が知られていない転写因子をcodeする遺伝子であった。この変異体の加齢性難聴モデルとしての意義を検討するために、聴覚生理学的機能変化、形態学的異常の解析を推進するとともに、変異遺伝子産物のin silico での3次元構造予測法の適用により、その機能変化予測を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)